Bonjour!,c’est pompon!
「フランスに行ったら食べてみたいものはなんですか?」と聞かれると、多くの人が「パン」と答えるのではないでしょうか。パンの国フランスと言ってもいいほどにパンをよく食べるフランス人たち。私たち日本人にとっての米のように、毎日不可欠な存在です。
今回はフランスのパン屋さんをご紹介していきましょう。
あちこちにパン屋さんはある
パン屋はフランス語でBoulangerie(ブーランジュリー)。パン職人は Boulanger(ブーランジェ)と言います。フランス人はパスタも米も食べますが、やっぱり主食はパン。毎日の食卓に欠かせません。そのためパン屋さんの数もとても多く、街のあちこちにあります。
みんな行きつけのパン屋さんがあり、夕方にはバゲットなどのパンを抱えて家路を急ぐ人が溢れています。スーパーに袋入りのパンなども売られていますが、やはりその日焼きたてのパンが一番美味しいのです。
どんなパンがあるの?
パンの種類も豊富です。食事の時の主食としてのパンや甘いおやつパンなど、お店によって様々な種類があります。
食事用のパン
食事のお供のパンとして代表的なのはバゲット、パンドカンパーニュ(田舎パン)、パンドゥミ(食パン)などですが、他にもボール状のパンや、麦の穂のような形のエピ、イタリアのチャバタなどもあります。
またピザパンや中にベーコンやチーズを入れ込んで焼いたパンなどは、そのまま手軽な食事やアペリティフになります。もちろんお昼時にはいろいろな具材を詰め込んだサンドイッチが並びます。
おやつ用の甘いパン
16時ごろ、学校帰りの子供とパン屋さんに入っていく人もたくさんいます。お目当はグテと呼ばれるおやつのため。甘いパンは大人も子供も大好きです。
甘いパン、つまり菓子パンをViennoiserie(ヴィエノワズリー:直訳すると『ウィーンのもの』)と言います。
ヴィエノワズリーも種類が豊富で、クロワッサン、パン・オ・ショコラ(クロワッサン生地にチョコレートを挟んだもの)、ブリオッシュ、パン・オ・レザン(カスタードクリームとレーズンを入れたパン)、ショーソン・オ・ポム(パイ生地でリンゴを挟んだもの。スリッパに形が似ていることからこう呼ばれます。)、シューケット(小さなシュー生地に砂糖をまぶしたもの)などが代表的です。
フランス人はおやつのほか朝食にもこのような甘いヴィエノワズリーを食べます。
最近では日本でも食べられるものも多いと思いますが、やはりフランスの水と材料と空気とで作られたパンたちは絶品です。
フランス人にとってのバゲット
いわゆるフランスパン。外皮部分はパリパリで、中はふんわり柔らか。これだけでも十分おいしいのですが、焼きたての香ばしさは格別です。
家に着くまで待ちきれないのか、ちぎって食べながら歩いている姿もよく見かけます。このおいしさで1ユーロ(約125円)ですから、食べてみない手はありませんよね。
バゲットなどのパンは、1〜2本なら簡単に真ん中あたりを紙で包んだまま渡されることが一般的。細長い紙袋に入れられることもありますが、直接パンを手で握りしめて帰る姿はいかにもフランスです。
食べきれなかったバゲットは?
その日に余ったバゲットは、そのまま朝食に。スライスしてたっぷりのバターやジャムをつけてタルティーヌとしていただきます。それでも余ってしまうのであれば、パンペルデュ(フレンチトースト)にするのがオススメ。卵に一晩つけ込んで焼けば、豪華な朝ごはんの出来上がりです。
また、買ってきたその日に、カットして密閉袋などに入れて冷凍しておきます。解凍するときは、軽く水をかけてオーブンで温めるとふっくら美味しくいただけます。
その日に食べ切りたいのなら、半分だけ買うこともできます。
バゲットコンクールが開かれる
国民に愛されているバゲット。パリでも全国でも、バゲットコンクールが開かれています。厳しい規定をクリアすると、審査員による味や香りの審査。200名以上の参加者が順位を競います。
パリのコンクールでは、最優秀に選ばれると1年間大統領官邸であるエリゼ宮に毎日バゲットを納入する権利と栄誉が与えられるのです。
その年の最優秀パン屋さんのバゲット、ぜひ味わってみたいものですね。
ケーキもたくさん
パン屋さんに並んでいるのはパンだけではありません。フランスにはケーキ専門店ももちろんありますが、ケーキも豊富に揃っています。いちごやフランボワーズ、季節の果物などが目に鮮やかなタルト類、ガトーショコラやエクレアなど、ごくごく一般的なケーキ類がずらり。
ケーキが美味しいお店とパンが美味しいお店は違っていることが多いので、色々と通ってあなたのお気に入りを見つけてください。
パンの国にもない、日本のパンたち
そんなパンの国にもない、日本独自のパンがあります。どれだけフランスのパンが美味しくても、滞在が長くなると「日本のパンが食べたいなあ」と思うこともしばしば。それはあんぱんだったりメロンパンだったり、焼きそばパンだったり。またパンドゥミはあれど、フワッフワの日本の食パンも食べたくなります。
2017年現在パリには日本のパン屋さんがあり、こういった日本独自のパンが美味しく食べられます。お客さんは日本人だけではなく、フランス人もたくさん。パンの味にうるさい彼らからも、日本のパンは評価が高いのです。
美味しいものは世界共通、ということなのでしょうね。
それではみなさん、Bon appétit!
ライター名 pompon
・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。