フランスの祝日全11日!年によって日にちが変わる祝日もある?

Bonjour!,c’est pompon!

フランスはバカンスが多いので、なんとなくお休みばかりなイメージがありませんか?ですが実は祝日の数は日本の16日よりもずっと少なく11日しかないのです。

フランスにおける祝日(férié:フェリエ)は、キリスト教に由来するものと、建国など歴史に由来するものが大半を占めます。日本のように「海の日」「文化の日」などもありませんし、敬老の日に当たる「おばあちゃんの日」などはありますが祝日には定められていません。

また、日本は祝日でも役所などを除いてお店やサービスはいつも通りのことが多いと思いますが、フランスでは日曜のようにお店が閉まっていたり、交通機関がいつもとは大きく変更されることもあります。

そして、年によって月日が変わるキリスト教由来の移動祝日も3つあります。これについてはそれぞれの項目で説明していきましょう。日付が記載されていないものが移動祝日です。

それでは順番にご紹介します。

Jour de l’an 元日(1月1日)

言わずと知れた一年の始まり、お正月を祝うものです。会話の中で呼ぶ時には、nouvel an(ヌーベラン:新年)をよく使います。

フランスでは年越しは友達同士でパーティーなどをして盛り上がるため、翌日である1月1日はまさに「宴のあと」といった静けさです。

「この日から1年がはじまる!」といった輝かしい雰囲気はなく、元日特有の習慣や食事などもありません。そして日本のような「3が日」も存在しないので、2日から通常の毎日が始まります…。

フランスの祝日全11日!年によって日にちが変わる祝日もある?

Lundi de Pâques 復活祭の翌日の月曜日

イエス・キリストの復活を祝う復活祭。イースターとして日本でも知られ始めましたが、フランス語ではパックと言います。

春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」と定められている移動祝日で、おおむね4月ごろにあたります。

ミサが行われ、子供たちを中心に卵探しをするのが伝統的です。

Fête du Travail メーデー(5月1日)

イギリスや日本ではメーデーは祝日ではありませんが、80カ国以上では祝日と定められていて、フランスも含まれます。

この日は親しい方へスズランを贈るという習慣があり、街のいたるところで誰もがスズランを売ることができます。

労働者の日だけあって、お店などはすべて閉まっています。パリを除いて、交通機関が機能していない街も多いでしょう。

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Victoire du 8 mai 1945 1945年5月8日戦勝記念日(5月8日)

第二次大戦終結記念日です。1953年に祝日と制定されました。

軍関係者によるセレモニーなどがあるほかは、一般市民にとっては特別感があるわけではない祝日、といった印象です。

前の週のメーデーと続いての祝日。5月はお休みが多いのです。

Ascension 昇天祭

アソンスィオン。2番目の移動祝日です。復活祭から5週目の木曜日、つまり40日後に当たる日で、おおむね5月にあたります。

木曜であることから、次の金曜を休みにして土日と合わせて4連休にする学校や会社も多くあります。これは休日と休日をつなぐことから、pont(ポン:橋)と呼ばれます。

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Lundi de Pentecôte 聖霊降臨祭の翌日の月曜日

復活祭から50日目が、パントコット。キリスト教の行事ですが、教会に行く人も復活祭やクリスマスほどは多くなく、お店が開いていたりもして祝日感は高くありません。

復活祭からパントコットまで、二ヶ月ほどの間に5回も祝日があるので、だんだん気分はバカンスへと近づいていきます。

Fête Nationale 革命記念日(7月14日)

一般的に「Quatorze juillet(キャトーズジュイエ:7月14日)」と呼ばれる、革命記念日。1789年のバスティーユ襲撃を記念する日で、1880年に制定されました。

シャンゼリゼ通りでは大統領臨席で盛大な軍事パレードが行われます。そのほか各地でも花火が上がったりと、国を挙げてこの日を祝います。

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Assomption 聖母被昇天祭(8月15日)

カトリックの信仰において大切な祝祭で、聖母マリアが天国に入るため日常から召し上げられたことを祝う日です。

実際には、この前後にバカンスを取る人やバカンスを終えて帰ってくる人が多く、交通機関が大変混雑する頃です。

残念ながら夏のバカンスがない人にとっても、貴重な祝日です…!

Toussaint 諸聖人の日(11月1日)

カトリックにおける全ての成人を祝福する日です。毎年この日が近づいてくると、花屋やスーパーなどに色とりどりの菊の花が並びます。

翌日の11月2日は死者の日と呼ばれる、故人をしのぶ日ですが、祝日ではありません。そのため、多くの人は11月1日に菊の花を抱えてお墓参りをするのです。日本のお彼岸の感覚に近いかもしれませんね。

この前後に、子供達は2週間のバカンスがあります。

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Armistice 1918 1918年休戦記念日(11月11日)

第一次世界大戦終結を記念する日です。1922年、退役軍人たちの訴えにより、多くの名もなき兵士を追悼する日として制定されました。

ラッパが鳴り響き、一分間の黙祷など、戦没者を追悼するセレモニーがシャンゼリゼほか各地で行われます。

Noël クリスマス(12月25日)

最も楽しい祝日、クリスマス。フランス語でノエルと言います。日本では祝日でないこの日もカトリックなフランスではもちろん祝日。前日24日の午後から会社なども休みになる場合も多いようです。(この日が一年で一番忙しいケーキ屋さんを除いては…!)

フランスのクリスマスは恋人同士のロマンチックなイベントではなく、家族で過ごす、一年に一度の団欒のひと時です。夜のミサはひときわ荘厳で、子供達によるイエスキリスト誕生劇などがあることも。25日はお店もレストランもみんな閉まってしまいます。ゆっくり家で家族の時間を過ごす日なのです。

イブと25日の昼食は、年で一番豪華な食卓になります。大人も子供もプレゼントをもらって幸せな1日。ノエルが終われば、もう一年も終わりですね。

それではみなさん、Bonne journée!

ライター名 pompon

・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。