Bonjour!,c’est pompon!
日本の子供たちも放課後は塾や習い事にと忙しいと思いますが、フランスの子供たちも習い事をしている子がたくさんいます。今回は、日本ではなかなか見ない習い事や定番のものなど、習い事事情をご紹介していきます。
スポーツ系で元気に健康に
体を動かすスポーツ系は男女ともに人気です。代表的なものはこちら。
一番人気は水泳
一番人気とも言える水泳。新規登録の時期になると申し込みが殺到します。親と一緒に水に入るベビースイミングは、心肺機能を高めたり水に慣れたりとメリットが多く、赤ちゃんの頃から習っている子供も多いようです。
ちなみに幼稚園でも、年中あたりからプールに通って水泳の授業があります。
日本の空手や柔道
空手や柔道など日本の武道も定着しています。小さな町にも教室が開かれていて、男の子を中心に習っている子が多くいます。用語はそのまま「イッポン」「ワザアリ」なので、私が日本人と知るや、柔道用語を話しかけてくる男の子たちもいます。
夢はプロ選手!?サッカー
日本では盛んな野球も、フランスではかなりの少数派。代わりにサッカーが大人気です。小さな男の子に、「何を習いたい?」と聞くとたいていが「サッカー」と答えます。サッカー好きなお父さんの影響かもしれませんね。
日本人には驚きのサーカス
私の娘が習っているサーカス。日本人としては「5歳がサーカスを習う!?」と驚きますが、フランスではごく普通の習い事なんです。
フランスには移動サーカスが多く、いつも憧れの目で見ていた競技を「自分もできる」となると、子供たちは大興奮です。
全身運動ができ、バランス感覚を養うのに役立つので親からの支持もあつい習い事。どちらかというと女の子が多い印象です。4ー5歳児のクラスでも空中ブランコや玉乗りなどを教わります。
芸術系で感性を育てる
さすが芸術の国だけあってアート系の習い事も盛んです。
子供といえど本格的演劇
テアトルと呼ばれる演劇。一年を通して基本を学び、年度末には発表会が行われます。内容は子供の劇とは思えないほどシリアスであったり、奥深いものであったり。「お遊び感」のある劇ではありません。引っ込み思案な子に度胸をつけさせようと連れて行く親も多いのだとか。
いろいろな楽器を習う音楽
日本では音楽を習うというとまずピアノを習いに行く子がほとんどでしょう。フランスでは、6歳ごろ公立の音楽学校に入れる歳になると、いろいろな楽器を習い始める子が増えます。
日本でピアノを習うように、バイオリンを習いトランペットを習いドラムを習うのです。ピアノ「プラス」他の楽器ではありません。その代わり楽器の他にソルフェージュと呼ばれる音楽の基礎の授業があります。
女子の憧れバレエ
女の子に人気なのはダンスでしょう。白やピンクのチュチュを着て踊るクラシックバレエに憧れるマドモワゼルたちがたくさんです。
費用が他の習い事よりもかかるので、裕福な家庭の子が多い傾向があります。
いつ習っているの?
フランスの学校ではクラブ活動や部活動のような存在がありません。そのため放課後や土曜日を利用して習い事に通うのです。しかし幼稚園といえど16時ごろまで授業があるので、そのあとの習い事となると少し大変です。水曜日が休みの学校や午前中授業の学校がほとんどなので、水曜日に通う子が多いでしょう。日曜日は家族で過ごすという感覚なので、お稽古事はほとんど開催されていません。
その他、バカンス中などはアトリエと呼ばれる集中講座が開かれ、数日間だけ短期で習い事をすることも可能です。
どんなスクールに通うの?
スクールの形態も公立から私立、アソシエーションまで様々です。
幼い子供の場合はアソシエーションの教室に通うことも多いですし、クラシックバレエなどのようにほとんどが私立スクールの習い事もあります。芸術系に関していえば、プロフェッショナルを目指す育成学校があり、多くは小学生から入学できます。
学校の授業と専門学校の授業を振り替えることもできるので、学業との両立がしやすいのです。素晴らしい才能を持った若き芸術家がたくさんいるのは、こういったシステムのおかげなのかもしれません。
英会話などの外国語教室を除くと学習塾はほとんどなく、授業と宿題以外にさらに勉強するという習慣はあまりありません。
気になる費用は?
習い事の種類やスクールによってまちまちですが、アソシエーション主催のものなどは比較的安価で、週に一度のレッスンで年額200ユーロ(約2万5000円)くらいのものもあります。
市立の芸術学校などであれば、市民は無料に近いほどの金額でハイレベルなレッスンを受けることができます。
大人の習い事も盛ん
子供だけではなく、大人にも習い事は盛んです。仕事以外の自分の時間を大切にするフランス人は、アフターファイブに思い思いの過ごし方をしています。その一環として料理やダンスを習ったりする人も多いのです。演劇やサーカスの大人クラスも人気です。
何かに打ち込むことで明日へのモチベーションが生まれたり、趣味を通じて交流が芽生えたり。職場と家との往復だけでは人生がもったいないですものね。
人生を楽しむ方法を知っているフランス人、見習っていきたいと思います。
それではみなさん、à bientôt!
ライター名 pompon
・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。