Hello! It’s Kumi!
出産は女性にとって一大イベント。
特に初産の場合は期待とともに不安がつきまとうもので、それが特に異国で経験するとなると不安も倍増かと思います。
今回はそんな不安を払拭できるよう、イギリスの出産、そして子育て事情をご紹介します。
初診は産婦人科ではない?
イギリスの医療システムは日本と少し異なり、どのような病気でもまずは自分のGP(General Practitioner、主治医)にかかり、GPが専門医の診察が必要と判断すれば、専門医にかかります。
出産は病気ではありませんが、妊娠の可能性がある場合も産婦人科医ではなく、GPの診察を受けます。ただ現在では事前に市販の妊娠検査薬を使って、妊娠を確認してからGPにかかるため、診察といっても、GPがあらためて検査することはほとんどなく、GPに「報告」することにより助産師を紹介してくれます。そしてその助産師と面会のアポイントメントをとります。
定期的なケアは助産師が行う
紹介してもらった助産師と面会し、その助産師で問題なければ、その後はその助産師が定期的なケアを行ってくれます。また面会場所は好きな場所を選ぶことができ、もちろん自宅での面会も可能です。そのため、つわりがひどいとき、または小さな子供がいて、動きづらいときなどは、助産師に来てもらえるこの制度は妊婦にとって大変心強い制度となっています。
ストレスフリーな妊婦生活
日本では、妊娠すると、「○○するな」「△△してはいけない」など、いろいろ制限されることがあります。
もちろんここイギリスでも生物を食べることは避ける、タバコを吸わないなどの最低限の注意事項は守るように言われますが、例えば日本で妊婦生活を送る場合の一番の懸念事項とも言える体重増加について、ここイギリスでは注意されることはありません。
妊娠中は食の嗜好が変わったり、お腹の中の子供に栄養を与えるためにどうしても食欲も増加します。その中で、体重増加を注意するように言われることは、大変なストレスともなりますが、ここイギリスでは妊娠中の体重増加を心配することはありません。
出産費用は無料!
いよいよ出産が近づいてくると、出産場所を決めることになります。出産場所は公立の病院、プライベートドクター、自宅、などから選ぶことができます。そして公立の病院で出産の場合、出産費用は無料です。
また普通分娩で出産の場合、事前に入院することなく出産当日に病院に来て、そして当日中に帰宅することが可能です。
なお、帝王切開での出産、また会陰縫合が必要になった場合は入院することになりますが、それでも通常1日から3日間程度の入院後、退院することが可能です。
出産の際は必ず入院する日本と比べると、入院なしの出産は不安に感じるかもしれませんが、すぐに慣れた自宅に帰ることができるため、落ち着いた雰囲気の中で、出産後すぐの生活を送ることができます。
父親の育児休暇
以前イギリスのウィリアム王子が育児休暇を取得したことが日本でも話題になりましたが、イギリスでは子供が生まれた後、父親が2週間の育児休暇を取得することが必須となっています。この育児休暇は父親の職業、国籍にかかわらず、取得することになっています。
出産後すぐは母親が思うように動けないことも多く、ここイギリスでも出産後どちらかの親が母親のサポートに来てくれることはよくありますが、父親が家にいてくれることは母親の精神的な支えとなり、産後うつに陥ることを阻んでくれるのに役立っています。
また最近では出産後の1年間の育児休暇を父親と母親で配分できるようになり、父親がより子育てに参加しやすいような制度になっています。
なお、育児休暇中は最初の6週目までは平均所得の90パーセント、また6週目以降は週139.58ポンドもしくは平均所得の90パーセントの少ない方、が支給されることになっており、有給となっています。
さらに育児休暇中に会社側が減給や役職の変更をすることは許可されていないため、安心して休暇を取得することが可能です。
子どものために引っ越し
イギリスも日本と同様とても教育熱心な親が多い国で、またクラス社会(階級社会)であることから、子どもの学校選びにはこだわりを持っている人が多くいます。
イギリス、特にロンドンではエリアによって、学校のレベルに差があることも多く、そのため、子どもを少しでもよい学校に入れたい場合などは、その学校があるエリアにわざわざ引っ越すことも珍しいことではありません。
いかがでしたでしょうか?
イギリスの出産、また子育て事情をご紹介しました。異国での出産・子育てはもちろん不安もつきまといます。ただ、出産・子育てに関するサポートは充実しており、おおらかな気持ちで出産を迎え、そして子育てをすることができるはずです。
ぜひ上記を参考に、よりよい出産・子育てライフをイギリスで経験してみてください。
Have a lovely day!
ライター名 Kumy
渡航した年 1994年および2014年
お住いの国 イギリス
公用語 英語
プロフィール ロンドンを拠点にフリーランスの翻訳家、ライターとして活動中のKumyです。イギリス英語とロンドンに恋をして数十年。現在夢の地で、夢の言葉に囲まれながら日々ロンドン生活を満喫中。