Ahoj、maminkaです。
今回は、チェコと日本の暮らしを比べてみたいと思います。
チェコの気候は北海道くらい
チェコは、夏は涼しく冬は寒いです。日本の北海道と同じくらいです。寒いからなのか、ゴキブリは見かけませんし、蚊も夏に時々見るくらいです。
チェコの夏
30度を超える日は多くありません。また、湿度が低く空気が乾燥しているため、空気がサラッとしています。ジメジメした日本の夏と違い、日陰に入って風に吹かれると、涼しくて心地よく、汗もひきます。でも日差しは強く感じます。
日が長く、夜の10時頃まで暗くなりません。夜8時くらいでも公園にいる親子を見かけます。夏は、出来るだけ長く外で楽しみたいという気持ちが強いように感じます。子供は、寝る直前まで外で遊んでいるようです。
そんな楽しい夏ですが、突然終わりが来ます。まだ8月の終わり頃だと言うのに、急に風が涼しくなります。短い夏です。チェコでは、夏休みは2か月ありますし、バカンスも好きですし、庭にテーブルとイスを置いて外でバーベキューしたりして、この季節を100%楽しもうとしています。それも納得です。これだけ夏が短いと、この期間を思い切り楽しまなくては損だと思う気持ちになります。
チェコの冬
長く、暗く、寒いです。このどんよりした空の下、数か月間も閉じ込められるのは、本当に億劫です。年によりますが、この冬は特に寒く、一ヶ月もずっとマイナスの日々が続きました。外は雪が積もっていましたが、溶けないので軽い粉砂糖のようにサラサラと風に吹かれていました。
日が沈むのが早く、夕方4時ころには暗くなってしまいます。外に行っても寒いし、庭仕事も無いし、家の中で過ごす事が多くなります。でも、チェコの子供たちはこの寒さに慣れているのか、気温がマイナスでも、幼稚園では散歩が日課になっています。しっかりスキーウェアを着て、雪の中を転げ回ります。
治安はそれ程悪くない
実際に住んでいると、治安は悪く感じません。ある統計で、世界の国々の犯罪発生率というのが出ていましたが、それによると、犯罪発生率は、日本で0.31%、チェコは0.65%です。チェコの方が発生率は高いですが、両国とも、世界的に見て低いと言えます。アメリカが3.86%、韓国が0.74%ですから、韓国よりもチェコの方が発生率は低いということです。
でも、盗人は多いようです。チェコでは、電車やバスの中で寝ている人はいません。カバンをトイレの洗面所に置きっぱなしにする人もいません。自転車を駅前に放置もしません。子供の学校への送り迎えも、低学年のうちは親の役目です。自分の身は、自分で守らなくてはいけないという考えがあると思います。
仕事に対する姿勢は違う
チェコ人と一緒にチェコで仕事をする場合、日本的な考え方を止めて、チェコ的な考え方にした方が上手くいくと思います。
仕事への姿勢の違い
チェコでは、仕事よりもプライベートが優先です。残業は殆どしません。朝早くから働いて、早めに家に帰り、家で庭仕事や自分のしたい事をするのがチェコ人です。なので、今日やるべき仕事が済めば、さっさと職場を去ります。上司が残っているから、部下も残ろうという考えはありません。
上司とも仲良くなれば敬語は使わない
チェコ語には、敬語とタメ語の2種類があります。最初のうちは敬語を使いますが、仲良くなればタメにしましょうと握手を交わし、それからはタメで話します。それは、職場の上司との場合もです。なので、部下が上司にタメで喋っているのはよくある事です。タメなので、名前を呼ぶ時もファーストネームで呼びます。
時間に正確でない
待ち合わせ時間に遅れたら、仕事を失うかもしれないくらい日本では時間に厳しいですが、チェコではそんなことはありません。時間に遅れたとしても、遅れると連絡を入れ、仕事内容に問題なければ大丈夫です。相手が遅れて来ることもありますから、お互い様なのです。
有給休暇は全消費する
有給休暇は、使い切ります。夏のバカンスで一週間、春の雪山に一週間、クリスマス等の祭日にくっつけて休暇を長くしたりします。有給の病欠もしっかり使います。風邪なのに、咳をしながら職場に出ることは、他の同僚に病気をうつすのでしてはいけません。
私の旦那ですが、会社の総務に自分の有給が後何日残っているか問い合わせていました。そんな堂々と有給を使い切ろうとする事に、最初はとても驚きました。でも、仕事を怠けている訳ではなく、やることはきちっとやっているのです。
教育制度は似ているが、学校は入るよりも出るのが難しい
チェコでは、大学を卒業するのは、30%くらいです。就職したい子を対象にした高校もあり、そこを卒業したら就職する人も多いです。勉強は学校が中心で、塾はありません。学校から宿題が出ますので、それを家で親がしっかり見てあげます。
幼稚園
日本と同じように、チェコでも5歳から義務教育が始まり、幼稚園に通います。ただ、チェコでは3歳から幼稚園に入る子が多いです。共働きが当然なので、ママも出来るだけ早く子供を預けて仕事に戻るのです。チェコでも、子供の数が幼稚園の定員数より多く、入れない子もいます。
小学校
6歳から小学校が始まり、9年間続きます。日本の、小学校と中学校が繋がっているのです。ここまでが義務教育です。
朝8時ころから授業が始まり、低学年のうちは昼ご飯を食べたら終わりの日もあれば、あと少し授業がある曜日もあります。学年が進むと昼過ぎにも授業がありますし、日本と似ています。
面白いのが、おやつを持参するという事です。おやつには、サンドイッチや果物などを持っていきます。軽食という感じです。授業の合間の休憩時間に食べます。
高校
ここから、大きく分けて3種類の進学方法があります。
・全般的に勉強し、大学に進むことを前提にした高校に行く。
・専門的な分野に力を入れて勉強し、卒業したら就職、または大学に行く。
・就職するために専門分野を勉強し、卒業したら就職することを前提に高校に行く。
日本にも、普通科の高校や理数科があったり、高専があったりするのと似ているとは思います。違いは、大学に進みたいなら高校の卒業テストに合格し、証書を貰わなくてはいけないということです。この卒業テストは難しく、留年する人もいるそうです。無事卒業が決まれば卒業パーティーがあり、ドレスアップして参加し、ダンスも踊ります。
高校は4年間通いますが、就職を前提にした高校は3年で終わるようです。
大学
日本と同じく、自分で学部と大学を選びます。短大もあります。学部や学位によって、4年、5年、6年と通う年数は変わります。日本のように、4年勉強してから院に行くかどうかを選ぶこともできるようですが、入学した時から、5年通う、6年通うと決まっている生徒もおり、卒業したら院を卒業したのと同じ資格がもらえます。
大学に入るには、先に書いた高校の卒業証明書が必要ですが、入学テストは難しくなく、入ってからの進級テスト、最後の卒業テストが非常に難しく、留年したり辞めていく生徒も多いと聞いています。
子育てには優しい国
子育ては、しやすいと感じています。父親が子育てに自然に関わっていますし、ベビーカーママに優しいです。産休、育休の制度もありますし、出産費用はほぼタダです。高齢出産の羊水検査の費用も払うことはなく、全てが健康保険でまかなわれています。
公園もきれいに整備され、街のあちらこちらにあります。なので、公園遊びを日課にしている子供が多いです。公園で子供同士で遊ぶのは、保育園に通っていない子供にとってはとても良い事だと思います。ママも周りのママ達とお喋りできて、気分転換になります。
まとめ
私は、チェコは暮らしやすいと感じています。仕事場の環境も、育児の環境も、教育の環境も、決してトップレベルとは言えませんが、必要なことは十分に揃っています。チェコでは、丁度良い具合に、程ほどな暮らしができていると思います。
Hezky den!
ライター名 マミンカ
渡航した年 2006年
お住いの国 チェコ共和国
公用語 チェコ語
プロフィール 11年前、ステンドグラスに魅せられて、チェコの工房で働きたい一心で渡航し、教会ステンドグラスの修復などを学びました。今は5歳と3歳の男の子の母親です。みなさんに役立つチェコ情報を届けたいと思っています。