フランスで車に乗りたい!知っておきたい運転免許と交通事情

Bonjour!,c’est pompon!

旅行にも暮らすにも、車があるとぐっと行動範囲が広くなりますよね。でも外国で運転するというのは勇気がいるもの。

今回は、フランスで運転するにあたって必要な、免許や交通情報をまとめました。

フランスで車に乗るための免許は?

もちろん私たち日本人がフランスで運転することはできます。それは、自分の滞在身分に沿った以下の免許などを所持している場合です。

国際運転免許証

日本を出る前に国際免許証を用意しておけば運転できます。ですが短期滞在の旅行者に限られます。

また学生とワーキングホリデーを除く長期滞在の場合で、到着直後滞在許可証を申請中の場合は国際免許証で運転することができます。

日本の免許証と仏語翻訳

学生とワーキングホリデーで滞在中の場合は、フランスの免許に切り替えることは不可です。ですので日本の免許証とそのフランス語翻訳を携帯すれば運転ができます。

フランスの免許証

学生とワーキングホリデー以外の長期滞在者で日本の免許証を持っている場合、入国一年以内にフランスの運転免許証に切り替えなければいけません。

滞在許可証を取得したらすぐに切り替え手続きをする必要があるのです。

この期限を過ぎると切り替えはできなくなり、改めてフランスで免許を取得しなければなりません。

この期限を知らないままになっている人も多く、私の知人でも知らずに切り替え時期を逃してしまいフランスで再取得した人もいます。

せっかく持っている免許、できればそのまま切り替えて使いたいですね。

私はオートマ限定の免許だったのですが、申請の際に「オートマ限定と記載するかどうするか」と尋ねられました。こちらにその選択権があるなんて驚きました。ただし申請先や担当者によっても異なりますので、あくまで一例です。

フランスで車に乗りたい!知っておきたい運転免許と交通事情

日本との交通の違い

ところが変われば交通の常識も規則も違います。ここでは知っておきたい基本情報をまとめました。

右側通行、右側優先

世界的に見て、日本と同じ左側通行の国は少なめです。フランスも多数派の右側通行。

したがって道路の幅や大きさに関係なく、右側からの車が優先です。細い脇道から侵入してくる場合でも、自分の右側から来る車であれば譲らなければなりません。

円形交差点が非常に多い

フランスは、パリもどんな田舎もrond-point(ロンポワン:円形交差点)だらけです。ロータリーを出る車が外側を走行して、ロータリー内にとどまる、つまりまだ先の道へ出て行く場合は内側を走行します。

出口が近づいたら自然に外側へ出て行って突破しますが、慣れるまではぐるぐる回ってしまったという人も多いのです。

大きなところでは凱旋門の円形交差点が有名で、12本もの放射状道路があるため初心者にはかなり難しいスポットとなっています。

飲酒運転の規定の違い

日本では、呼気中アルコール濃度が0.15mg/l以上で飲酒運転となるのですが、フランスは0.25mg/l。日本よりも緩めの設定となっています。

目安としては男性ならワイン2杯程度、女性は1杯程度までなら飲酒運転にならないといいます。体質的なものもあるので、フランスでは飲酒運転ではないからと過信してアルコールを飲むのはおすすめできません。

またこのように規定があるものの、かなりの量の飲酒をして運転している人が実際には多いように見受けられます。夜バーなどで長い時間たくさん飲んでいたにもかかわらず、車で帰って行く人を何度も見かけました。

MT車がまだまだ主流

フランスで「車を買いたい」と思って探すと、AT車の少なさに驚かされます。まだまだ基本はMT車なのです。

ここ数年で増えつつあるとはいえ、数も少ないので中古車などの場合のAT車は、年式や走行距離を考えてもまだまだ割高です。

AT限定の免許も一般にはあまり普及しておらず、身体的に困難な人を除いて「よほど運転ができない人」と見られているようです。

フランスで免許を取るには

もちろん、フランスに長期滞在している人ならフランスで免許を一から取ることも可能です。

フランスの自動車教習所とは

フランスでもあちこちに自動車学校があり、日本と同じように学科試験と実技試験があります。

コードと呼ばれる学科試験は、意外にもパスできない人が多いのだとか。ですが実際に受けた日本人で落ちた話はあまり聞かないので、「試験自体が難しい」というよりは「どれだけ真面目に準備をして受けるか」、の違いのようです。

ちなみに、日本の自動車教習所のように場内で運転するところはありません。学科が通れば即路上。初めてハンドルを握るのは公道なのです。街を走っている教習車は、もしかしたら今日初めてハンドルを握った人が運転しているのかも…と思うとちょっぴり怖い気もしますね。

フランスの免許証

フランスの免許証というと、長年「パピエ・ローズ(ピンクの紙)と呼ばれていた三つ折りの厚紙でした。パウチ加工されていて、「図書館などの会員カードの方がまだしっかりしている…」と思ったものです。

それが2013年からカードタイプに変更になりました。ICチップも導入され、小型化し、これで厚紙がボロボロになるのを気遣わなくて済みます。

とはいえ、旧免許証との交換は2033年までに徐々に行われてくので、私の手持ちのパピエローズがカードになるのはいつのことやら…。

フランスで車に乗りたい!知っておきたい運転免許と交通事情

事故には注意

安全に運転することはもちろんですが、もし事故が起きてしまったら、フランスではその対応も日本とは違います。

大きな事故でなければ警察を呼ばず双方で解決することが多いのです。こうなると雄弁な人が強いのは当然ですから、こちらが不利になってしまうことも。

日本以上に気をつけて安全にカーライフを送りたいものですね。

それではみなさん、Bon voyage!

ライター名 pompon

・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。