出産までは9ヶ月?!フランスで妊娠した時のための基礎知識

Bonjour!,c’est pompon!

駐在家族として、また国際結婚や仕事などでフランスに長期滞在しているときに妊娠することは十分に考えられます。今回はフランスで妊娠した!そんなときに慌てず嬉しいニュースに対処できるよう、日本との違いや手続きなどの基礎知識をご紹介したいと思います。

妊娠週数数え方の違い

日本では、出産までの妊娠期間は10ヶ月ですが実はフランスでは9ヶ月で出産を迎えます。これは妊娠週数の数え方の違いからくるもので、最後の月経初日から起算する日本に対して、フランスでは受精日から数えます

もちろん受精日、排卵日を知るためには最後の月経開始日や月経周期データが必要で、また胎児の大きさからも予測します。ですが公的な書類などに受精日、つまり夫婦の営みのあった日が記載されるので少し気恥ずかしい気もします。

マタニティ雑誌や妊娠に関するサイトなどでも9mois(9ヶ月)という言葉がよく出てきますが、決して早く出産する(!)わけではないのでご安心くださいね。

出産までは9ヶ月?!フランスで妊娠した時のための基礎知識

妊娠したら、食べ物に注意しよう

日本でももちろん妊娠したら様々な検査が行われます。元気な赤ちゃんを産むためには必要な事柄ですが、フランスの場合は産婦人科医の元で検査はできず、検査施設に足を運び、その結果を持ってまた医師のところへ行かなければならないので、つわりなども始まる初期の妊婦さんにとっては少し辛いかもしれません。

たくさん行われる検査の一つに、トキソプラズマの抗体があるかどうかの検査があります。妊娠中にトキソプラズマにかかると胎児に障害が出る可能性があるため、多くの日本人のように抗体を持っていない人は食べ物や生活に注意する必要があります。

そしてリステリア菌への感染も、妊婦や胎児には危険です。これらは日本でも注意がされますが、フランスでの徹底ぶりはそれ以上でしょう。

これらのリスクを避けるため必ず言われるのは、「肉はよく焼いて食べる」「生野菜はよく酢で洗う」「感染源になる猫との接触を避ける」。そしてサラミや生ハム、スモークサーモンや刺身、生乳や生乳を使ったチーズなども食べられません。

あれもダメ、これもダメ、「じゃあ何を食べたらいいの?!」と言いたくなりますが、子供の安全のためですから、我慢我慢です。

出産までの大まかな流れ

ここで、妊娠してから出産までの大まかな流れを書いておきたいと思います。

まず、市販されている妊娠検査薬で陽性反応が出たら、かかりつけ医か産婦人科医の予約を取りましょう。すぐに予約が取れないようなら、妊娠した旨を伝えると少し早めてくれる場合もあります。

そして医師の指示で色々と検査を受けます。前述のトキソプラズマの抗体がない場合、毎月血液検査が必須となります。

妊娠したことを、セキュリテソシアル(国民健康保険)とアロカシオン・ファミリアル(家族手当)に申請します。期日を過ぎると受け付けられず、妊娠出産にかかる費用の補償が受けられませんので気をつけましょう。

続いて産院を探します。無料の公立病院か、有料の私立病院か。この選択は人それぞれですが、経験から言うと私立病院の方が比較的良いサービスが受けられると思います。

産院にかかるのは、妊娠6ヶ月から7ヶ月頃からの場合も多く、それまではかかりつけ医や産婦人科医のもとに月に一度程度通います。その診察所にエコー検査の設備があれば別ですが、ない場合は妊娠期間に3回のエコー検査が受けられます。毎回の検診で赤ちゃんをエコーで確認したければ、設備のある産婦人科を探しましょう。

出産後、子供を預けて仕事に復帰する予定のある場合は、早めに保育所(crèche クレッシュ)を探しておく事をお勧めします。パリなどの大都市では空きがない場合も多いので、保育ママやベビーシッターなどについても調べておくといいでしょう。

出産までは9ヶ月?!フランスで妊娠した時のための基礎知識

基本的に無料で出産できる

所定の手続きを踏めば、公立病院での出産は無料ですし、妊娠後期から出産後数ヶ月までの医療費も無料になります。そして出産に際して日本円にすると10万円程度の支度金が給付されるので、何かと物入りな時ですから助かります。こういった金銭的負担が少ない点も、フランスの出生率を上げているのでしょうね。

出産までは9ヶ月?!フランスで妊娠した時のための基礎知識

日仏マタニティ服の違い

手続きなど難しい話が並びましたが、妊娠期間はこれからママになる女性にとってとても素敵なひと時です。でも沈みがちになることもある時だからこそ、可愛いベビーグッズを揃えたり、お気に入りのマタニティを着て楽しく過ごしたいですよね。

最近の日本のマタニティは「あ、妊婦さんかなー?」と分かる程度に自然にお腹を隠してくれるチュニック風なものが多くて、可愛いですよね。対するフランスのマタニティは、「妊婦!」とはっきり分かるような、お腹のラインがくっきり目立つものが多いのです。そして母親になっても女でいる事を忘れないフランスらしく、セクシーな女らしいデザインが主流です。

出産までは9ヶ月?!フランスで妊娠した時のための基礎知識

異国での妊娠は不安、でも何より幸せな事

外国での妊娠、しかも初めてだとしたら尚いっそう不安な事でしょう。ですが、妊娠して出産するという行為はどの国でも同じです。準備をしっかり整えて、必要以上に不安になる事なくゆったりと妊娠期間を過ごしたいものですね。

言葉の心配がある場合は、パリやパリ近郊であれば日本語の通じる病院などもありますから、問い合わせてみるといいでしょう。

フランスは、妊婦さんや赤ちゃんにとても優しい国。電車で席を譲ったり、ベビーカーを運ぶのを手伝ったりは当たり前のこととして捉えられています。周りの助けも借りて、素敵な妊婦ライフを過ごしましょう。

それではみなさん、A bienetôt!

ライター名 pompon

・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。