Bonjour!,c’est pompon!
フランス映画を見ると、なんだかスタイリッシュにオシャレに暮らしていそうなフランス人。実際「生身」のフランス人の暮らしとは、どんなものなんでしょうか?
暮らしは、一緒に住んでみて初めてわかることもあります。今回は私の周りのフランス人たちを例に、日本人とはちょっと違う生活ぶりをお話したいと思います。
生活習慣はどんな風?
まずは、生活習慣から。家の中での彼らはどう過ごしているんでしょうか?
寝る前まで靴は脱がない
フランスは日本と異なり、家の中でも土足が基本。朝履いた靴は夜ベッドに入るまで基本的に脱ぎません。
編み上げのブーツや紐靴でも脱ぎ履きを繰り返さないので楽チンそうです。
そのためか、フランス人のソックスは男女問わず穴あきのものがとっても多いのです。普段人目にさらされることがないので油断しているようですね。
我が家のように日本人の暮らす家は大半が土足禁止にしているので、玄関で靴を脱ぐことになって穴を隠そうと焦る姿はよくみられます。ちょっと申し訳ないですね。
床には座らない
基本は椅子の暮らしなので、私たちが子供達と遊びながら床に直接座っていると「なんで床に!?」と驚かれることがよくあります。
靴を履いて歩くのが当たり前の床に座っているのは、彼らにとって地面に座り込んでいる感覚なのでしょう。
室内も石造りやタイルの床が割と多くとても冷えるので、クッションも何も敷かずに座るのは確かに体にもあまりよくなさそうです。
朝のシャワーが基本、お湯には浸からない
日本人のようにお湯にゆっくり浸かる習慣がなく、朝軽くシャワーを浴びておしまいというのが普通です。
お風呂自体も、日本のように洗い場があるわけではなくバスタブの中で洗うので、一人一人がお湯をためていては確かに水の消費量が大変なことになりそうですね。
お風呂の後はデオドランドと香水。体臭が気になりがちなので、ケアには気を使います。
シャンプーの回数は少なめ
湿度が高くベタつきがちな日本では、シャンプーは毎日する人が多いと思いますが、フランスでは毎日髪は洗いません。スタイリング剤を使うかどうかなど人によりますが、2〜3日に一回程度です。
乾燥しているため汚れにくいことと、水の質が硬水で、毎日洗うとキシキシに傷んでしまうことが理由です。
そのため、フランス人に限らず日本人でも、フランスに住むとシャンプーの回数が減ってきます。
とにかくアイロンをかける
フランス人は何にでもアイロンをかけます。シャツやTシャツはもちろん、パンツやソックス、タオルにまでかける人も。
これはシワ取りだけでなく殺菌の意味もあるそうです。そしてゴワゴワになりがちなタオルもふんわりするのだとか。
鼻をかんだティッシュはもう一度使う
これは一緒に暮らさなくても街で見かけるかもしれませんが…フランスのティッシュは1枚1枚が分厚いのです。そのためか、一度鼻をかんだ程度では捨てません。ポケットにしまい、また使うのです。
最初は不衛生だと驚くかもしれませんが、確かにあの頼り甲斐のあるティッシュを一度で捨てるのは忍びない気もします。
スーパーへの買い物は週に一回
共働きが多く、大型スーパーが充実しているフランスでは、買い出しは週末にまとめて行います。
子供が二人ほど入れるサイズの大きなカートに、1週間分の食べ物から日用品、水などをめいっぱい買って車で持ち帰ります。毎日少しずつ買うのとはスタイルが異なりますね。
食生活は?どんなものを食べる?
一緒に暮らしていく上で、食生活は大切。基本の食生活とはどんな風なのでしょうか?
朝食は甘い
朝食は、基本的に甘いものを食べます。クロワッサンにチョコレートクリーム、ジャムを塗ったパンとボウルにたっぷりのカフェオレ、といった簡単なものです。
目玉焼きやハム、サンドイッチなど、塩味のものを起き抜けに食べることに抵抗があるフランス人はたくさんいます。最近は週末のブランチが浸透してきましたが、甘いもの・塩っ気のものがたくさんあるビュッフェの中から、甘いものをたっぷり食べている人がやはり多いようですね。
昼食はしっかり派が多い
朝が軽いため、昼はお肉などをしっかり食べる人もたくさんいます。ビジネスマンなどは社員食堂があまりないので、昼食券を持って近くのカフェなどに食事に行きます。
サラダですませる女性も多いですが、ステーキにフライドポテトなどをしっかり食べる人も。そしてランチでもワインをたしなみます。
日本では仕事の合間にアルコールなんて考えられませんが、さすがはアルコールテストの結果が0.50g/l未満のアルコール濃度であれば飲酒運転とは扱われないフランスです。
夜は軽く食べる
昼にしっかり食べた分、夜はサラダやスープでおしまいという人も割といます。誰かのお宅にお呼ばれともなると、腕を振るったおもてなしをお腹いっぱいになるまで受けるので、普段の夕食は軽めにしてバランスを取っています。
人とはどう付き合う?
そして気になる人付き合い。彼らの人間関係とはどんなものでしょう?
とにかくキス
挨拶にビズ(キス)をするフランス、家庭内でもありとあらゆる時にビズをします。特にカップル間では、起きてビズ、いってきますのビズ、おかえりのビズ、すれ違ったらビズ、お休みのビズ、電話でもメールでもビズビズビズ。
愛は積極的に伝えるものであり、それは歳を取っても子供ができても変わりません。
家族との関わり方
フランス人、特に男性と親しくなると大抵の日本人があることに驚きます。「この人マザコン!?」と。
フランス人は、成人男性でも子供がいても親と密に連絡を取り合います。「あれ以来何かニュースはない?」と電話は週に何度もしますし、気軽に会える距離であれば毎週末のように一緒に食事をし、ひと時を共に過ごします。
日本で大人の男性が親とこのように近しくしていると、確かにおかしな目で見られることが多いかもしれませんが、フランスではこれがごく普通。いくつになっても親を大切にし、特にそれは息子と母親に強い絆を感じます。
友達と出かけるにもカップルで行く
フランス人が友達と遊びに行く、それは当然パートナーも同伴であることを意味します。もちろん予定が合わない、全く興味がないから行きたくないなど、一人で出かけることはありますが、基本はカップル単位。独り身には若干肩身がせまい気がしますが…。
文化が違えば暮らしは違って当たり前
国際恋愛や国際結婚が増えていますが、それでも破局を迎えることも実は多いのです。育ってきた国も文化も違えば、暮らしや考えが違うのは当たり前なのですが、どうしても譲れない部分などがあると、そう割り切ることも難しいのでしょうか。
お互い尊重できるのが理想ではありますが…みなさんはどう思いますか?
それではみなさん、A bienetôt!
ライター名 pompon
・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。