チェコのクリスマスにサンタは来ないし、イブには鯉を食べます!

Ahoj maminkaです。

チェコの冬は、長いです。日が短いですし、天気もどんより曇り空が続きます。そんな暗くて長いチェコの冬でも、一番大切なイベントがあります。ヴァーノッツェ(クリスマス)です。それに関係するミクラーシュやアドベントなどがあります。
冬のスポーツ、スキーも子供の頃から慣れ親しみます。

ミクラーシュ(Mikuláš)

このミクラーシュというお祭りは、12月5日の夜に開かれます。翌日の12月6日が、ミクラーシュのネームディなのですが、行事は5日の夜に開かれるのです。この夜、町中や各家をチェルト(鬼)とアンジェル(天使)とミクラーシュ(聖人)の3人組が訪ね回ります

まず鬼がやってきて、悪い子供が居ないか探します。子供たちは鬼に捕まえられて、鬼の持っている大きな袋に入れられてしまうと思い、怖がります。泣く子もいます。

そうすると、次に天使と聖人がやってきて、「お前は良い子なのか?詩や歌を歌えるか?」と聞きます。子供たちは頑張って覚えた歌や詩を披露します。すると聖人が「お前は良い子だね。でも、鬼はいつも近くで君を見ている。悪いことはしてはダメだよ。」と諭します。天使は子供にお菓子を配ってくれます。

この行事を見て、日本のナマハゲに似ているなとも思いました。鬼はチェコにもいて、怖い存在なのです。我が家の息子たちも家にやって来た鬼を見て、涙しました。

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アドベント(Advent)

これは、クリスマスイブの前の4週間、毎日曜日に祝う行事です。チェコには4本のろうそくが立てられたクリスマスリースの様な物があります。自分で作る人もいれば、店で買うことも出来ます。

この4本のろうそくを一本ずつ、クリスマスイブ前、4週間前から、日曜日に火を灯します。クリスマスまでカウントダウンして、準備を進めていく意味があるそうです。

ヴァーノツェ(Vánoce、クリスマス)

一年で一番の行事、クリスマスです。昔は、キリスト教の宗教色が強い行事だったそうですが、今では宗教を重要視する人も減り、日本と同じようにプレゼントが貰える嬉しい日になっているようです。

チェコではプレゼントは一人一個とは限らず、数か月も前からあの人にはこれをあげようとか、丁度良いからこれはクリスマスのプレゼント用に買っておこうとか、クリスマスプレゼントを意識しています。店にも、10月ころからクリスマス商品を置いています。

それでも勿論、この日は、教会では大きなイベントが開かれ、多くの人が訪れます。各教会には、べトレーン(betlém)という、キリスト誕生の様子や、馬小屋などを再現した、工夫を凝らした模型のような飾りが作られており、これを見るのも楽しいです。

サンタはやって来なくて、イェジーシェク(Ježíšek)

チェコのクリスマスは、日本でのアメリカ風のクリスマスではありません。サンタは居ません。プレゼントをくれるのは、イェジーシェクです。このイェジーシェクは、名前から想像するに、小さなキリストなのですが、彼の姿を見た人は誰も居ません。

クリスマスイブの夜、夕食も終え、みんなで寛ごうかとしている頃、チリンチリンと何処からか小さな鐘の音が聞こえます。それを聞いた子供たちは、急いでクリスマスツリーの下に集まります。そこには、沢山のプレゼントが置かれているのです。

イェジーシェクは、風と共に窓などから入ってきて、鐘を鳴らし、あっという間にツリーの下にプレゼントを置いて去っていくという人なのです。

チキンは無くて、鯉のフライ

クリスマスイブの食事は、魚の鯉です。クリスマス前になると、スーパーの前や広場では、大きな樽に入れられた生きた鯉が売られています。その場で、さばいてもくれます。生きたまま持ち帰って、家でクリスマスまで浴槽に入れて飼う人もいます。

この鯉を、パン粉を付けてフライに料理します。付け合わせはマヨネーズたっぷりで、酢を入れて酸っぱめにしたジャガイモと野菜のサラダです。鯉は沢山骨があるし、匂いが嫌いな人も多く、自分たちで鮭にしたり、他の魚にする人もいます。でも、日本のようにケンタッキーのフライドチキンを買う人はいません。

この豪華な夕食の前までは、人々はスープだけでしのぎます。お腹が空いてフラフラになって、「黄金の豚」の幻が見えるまでになるのが良いそうです。黄金の豚は縁起が良いとされ、この幻を見たら、良いことがあるそうです。でも、これくらいの空腹では、そこまでの幻は見えないというのが、私の感想です。

沢山のお菓子

クリスマスの親戚の集まりに欠かせないのが、甘いお菓子です。延々と続くお喋りの途中に、軽く摘まめるお菓子が欠かせないのです。

このお菓子を一か月も前からコツコツと作ったりします。ジャムやチョコレートを使ったり、クッキーなど日持ちするお菓子が殆どです。家庭によりますが、家族総出で生地を練って型を抜いて、オーブンで焼いて分業して作ったりもします。

作ったお菓子は集まりに手土産として持っていき、御裾分けしたりもします。そうすると、色んな家庭のお菓子が食べられて種類も増えて楽しいです。

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クリスマスツリー

これは重要です。プレゼントが置かれる場所でもありますから、しっかり用意します。生きた木のツリーも広場で売られていますし、作り物のツリーを使う家も多いです。お星さまやチェコ独特な藁で作った飾りも付けて、自慢のツリーに仕上げます。チョコレートの入った飾りも売られていて、我慢できない子供たちが摘まんだりもします。

休暇

こんなに盛り沢山なクリスマスの日々ですが、休暇は、12月23日頃からです。そして、新年早々仕事が始まります。1月2日か3日には初仕事です。クリスマスと新年の間は、学校は休みですが、仕事に行く人も多いです。

クリスマスマーケット

街の広場では、クリスマス用品やプレゼントを売る露店が立ち並びます。手作りの物が沢山売られていて、見ているだけで楽しいです。アクセサリーや焼き物、木製品、甘い蜂蜜から出来ているお酒のメドヴィナ(medovina)も置いています。

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新年

大晦日から新年に変わる瞬間は、花火が打ち上ったりシャンパンを開けたりして、賑やかに祝います。クリスマスがどちらかというと家族で集まる行事であるのに対し、新年は友達で集まったりする若者も多いです。でも、日本のように新年をゆっくり過ごす習慣はなく、2日か3日には通常に戻ります。

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スキー

チェコの子供はスキーがかなり上手く、小さなころからスキー教室に入ったり、親から教えてもらったりして雪山で休暇を過ごす家庭も多いです。我が家は、近所に丘があり、雪が多かった昨年は毎日のようにソリに乗っていました。

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ザビヤチカ(Zabijačka)

チェコでは、豚を解体する行事、ザビヤチカという行事があります。各家庭で豚一頭を解体し、ソーセージやサラミを作ったり、ビン詰めにしたりして昔は保存肉としていました。脂肪から出る油も綺麗に分離させて、料理に使えるようにしたり、血もスープにしたり、ソーセージに混ぜたりして、捨てるのは骨と皮くらいのようです。

今では、そんな大変なことをする家庭は少なくなり、村が行事として開いたりしています。うちの村では、毎年、豚半分を解体し、ソーセージなどを作り、村人を集めて一緒に食べたり、販売したりしています。

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まとめ

冬には、一番大切な行事ヴァーノツェがあります。その前に、ミクラーシュやアドベントもあり、クリスマス気分が高まっていきます。チェコのヴァーノツェは、イェジーシェクが来たり、鯉を食べたり、独特な習慣があります。新年はあまりお祝いしません。ザビヤチカで、肉を食べるお祭りも開かれます。

Hezky den!

ライター名 マミンカ

渡航した年 2006年
お住いの国 チェコ共和国
公用語 チェコ語
プロフィール 11年前、ステンドグラスに魅せられて、チェコの工房で働きたい一心で渡航し、教会ステンドグラスの修復などを学びました。今は5歳と3歳の男の子の母親です。みなさんに役立つチェコ情報を届けたいと思っています。