日本と全然違う!幸せの国 ブータンのワークライフバランス

Hello y’all! I’m Aqua.

何事もおっとり、ゆっくり、のんびりなペースで進むブータン。子供はもちろん大人もマイペースで、あくせくすることなく、自分の生活や人生を大切にしようとする向きがあります。

みなさんもテレビなどでブータン特集があると、そんな印象を受けませんか?

ブータンのこの「のんびり感」は、どこから来るのでしょうか?今回は、ブータンでの「仕事」の位置づけや働き方についてお話ししたいと思います。

輪廻転生を信じるブータン人の価値観

ブータンでは輪廻転生の概念がとても根強く、死んでも来世があるという意識が強いです。例えばブータンの国教でもあるチベット仏教では、高僧が亡くなるとどこかに生まれ変わりがいるはずだと考え、その人物を探し出して次代の僧とするそうです。

何事も「輪廻転生」が根底にあるので、ブータンの道徳感は「生まれ変わった来世がより良い物になるように現世で善行を積む」という考えから生まれますし、もし何か悲しい出来事があっても「来世にはいいことがあるだろう」と思い直すようです。

つまりブータン人は、物事を「めっちゃ長い目で見ている!」のですね。のんびりにもなります。

「人生一度きりだ。思いっきり生きて、仕事して、人生楽しもう!!」なんて考えにはならないのですね。

しかし逆に「来世があるから、別に現世があまりパッとしなくてもいいや」というような捉え方にもなってしまうのも事実。一心不乱に仕事に打ち込むとか、がむしゃらになって立身出世を目指すとか、そういう「ガッツ」が無いとも言えるかもしれません。

良い面も悪い面もあるかもしれませんが、仏教が日常生活に浸透しているブータンならではの価値観かなと思います。

日本と全然違う!幸せの国 ブータンのワークライフバランス

ブータン人にとって「仕事」とは…?

上でも述べた通り、ブータン人で「あくせく働くキャリアやエリート」は滅多にいません。もしいたとしたら、そういう人は多分上昇志向なのでインドなどの国外へ出ているのではないかなと推測します。

ブータン人は本当にのんびり働きます。日本の基準から考えたらサボりにも近いですが、誰も急いでいないのでまぁいいのでしょう。

私の職場は学校でしたが、特に授業準備などの手持ちの作業が無く授業も無いという教員やスタッフは、屋外で談笑していたりスナックを買いに行ったり、スマホをいじっていたりしていました。私が病院で検診を受けた時、医師のPCをチラッと見たらフェイスブックの画面だった時はさすがにオイオイ~と思いましたね(笑)

ブータン人は決して仕事を特別視していません。真剣でないというわけではもちろんありません。私の同僚はみんなちゃんと生徒のことを考えていて、授業はどうしようとか、どう指導しようとか、考えていました。でもそれだけに人生を費やしている人は皆無だったのではないでしょうか。

休憩中は、家のことをしに帰ったり(社宅がすぐそこだったので)、家族の話をしたり…。ブータン人の人生の中心点は家庭にあると思います。仕事はその延長線上です。

未就学児など小さい子供がいる先生(男女問わず)は、子供を連れてきてその辺で遊ばせていました。それを「神聖な職場に子連れで来るなんて!」と怒る人なんてブータンにはいません。学校に限らず銀行でも病院でも、みんな子供を連れて通勤していました。

親が授業中で見れない時などは手の空いている人が自然とその子たちを見るので、子供が仕事の邪魔になるということもありません。

小さいコミュニティで、同僚も家族みたいな存在だからこそできることなのでしょう。日本のように会社が大きくなり秩序が大切になってくるとこんな事は難しいかもしれません。

でも私はこのスタイルは本当に素敵だなぁと思います。女性にとっては特に、働きやすい環境ではないかなと思います。

ブータンではどんな働き口があるか

Bank of Bhutan(ブータン銀行)
Druk Air(ドゥルック航空:国営)
Bhutan Airlines 通称Tashi Air(タシ航空:民営)
Bhutan Telecom(通信会社:NTTみいたいな位置づけ)
Tashi Cell(通信会社)

ブータンで大きな会社と言って思いつくのはこんなところでしょうか。

ブータンには製造業がほとんどありません。農業と観光が主な産業です。特に食品などはほぼインドやタイの輸入品か、野菜類は「地産地消」状態ですので、明治やヤマザキパンみたいなメーカーはほとんどありません。(ビールやワインのメーカーはありますが)

ちなみにTashi Airなど、名前に「タシ」がつく会社は王族関係者の経営であることが多いみたいです。日本の大会社のような大きな会社はほとんど国営か、王族の関係者が経営しているか、インドの援助や外資系です。(余談ですがブータンで唯一の外資チェーンは、マクドナルドでもケンタッキーでもなく、サーティワンアイスクリームです。。。)

公務員になったりこのような会社に就職したりする以外の働き口としては、「教員」か「商店を経営」くらいかなぁと思います。ブータンで一番多いのは恐らく農業従事者でしょう。

日本人が働くとなるとほとんど受け入れ先はありません。大きな国際ホテルのマネージャー、日本語教室の教員、あとはJICA(青年海外協力隊を送っている団体)に所属する人がほとんどです。ブータンでよっぽどの働きぶりを見せ、「この人が必要だ!!」と思われない限り、先に紹介したような大きな会社や省庁で働くことは難しいでしょう。

日本と全然違う!幸せの国 ブータンのワークライフバランス

ブータンは就職難…?

実はブータンで道路工事や建築作業をしているほとんどはインド人です。それも、カーストの低い、レイバー(労働者)と言われる人々。危険な仕事は彼らが行うようです。

裏を返せば、ブータン人にはそれらの仕事が無い、ということにもなります。ホワイトカラー職もほとんど無いブータンで、労働職も無い…。

詳しい数字は分かりませんが、企業や産業といった受け入れ先が乏しいブータンでは、若者の就職難という問題が深刻化しているようです。職にあぶれた若者が犯罪に走ったりマリファナなどに手を出したりしてしまうことも増えているとか…。

学力社会なので、成績次第では大学進学や留学などの道も開けます。学校で好成績を収めていれば就職活動も多少は有利かと思います。

いったん職に就いてしまえば、職場にもよりますが外部研修に行かせてもらえたり、何かの学習コースなどの修了証をとることで給与や昇進といったチャンスがあったりするようです。

ちょっと頑張ればけっこうストレートに評価や給与に反映されるようなので、証書をたくさん持っているブータン人も多いです。ちょっと意外でしょうか?

それでは、Have a great day!

ライター名 Aqua

渡航した年 2013年〜2015年
お住いの国 ブータン
公用語 英語、ゾンカ
プロフィール 国際ボランティアに参加し、ブータンの地方高校へITインストラクターとして赴任。2年の任期満了後、帰国。現在はアメリカに留学し、舞台技術を勉強中。バレエなどのダンスが趣味。