Bonjour!,c’est pompon!
9月。フランスは新学期を迎えます。幼稚園も小学校や中学校同様に9月からスタートです。初めての集団生活に親も子もドキドキしますね。
3歳から5歳までの3年間通う幼稚園は、プティットセクション(PS:年少)、モワイヤンセクション(MS:年中)、グランドセクション(GS:年長)と分かれています。
これは日本とも似ていますが、フランスの幼稚園にはどんな特徴があるのでしょうか。ここでは一般的な公立の幼稚園を例にご紹介していきましょう。
セレモニーはなし!初日から通常授業
まずこれは幼稚園だけでなくフランスの全ての学校に言えることですが、入学式も卒業式もありません。当然始業式や終了式もありません。一切のセレモニーはなく、初日から通常授業が始まります。
日本人親としては、記念すべき入学や卒業を祝ってやりたいので、学校でセレモニーがないのはちょっと寂しい気がします。
ただ入学式用の衣装などが一切必要ないのでそれは助かりますが…。
園生活は16時過ぎまで
幼稚園バスは基本的にありません。フランスでは、親もしくは事前に届け出たそれに変わる人が送り迎えをします。
毎日朝はだいたい8時45分開始、終了は水曜を除き、16時から16時半ごろの学校が大半です。3歳の年少さんからこのリズムなので、日本よりは1日の園生活は少し長めかもしれません。
水曜日は、公立校なら午前中のみの授業、私立校は休みのところが多いようです。数年前まで水曜日は公立校も含めて全面的にお休みでした。
始業から1時間半ほどすると休憩時間。暑い日も寒い日も、園庭で子供達は駆け回ります。
そして12時からお昼休憩。食事については次の項でお話しします。
年少さんや、園によっては年中さんも昼食後に1時間から2時間程度のお昼寝があります。お昼寝をしない年中さんや年長さんは、幼稚園によってはアトリエと呼ばれるおかし作りや、絵を描いたり本を読んだりして過ごします。
そしてまた16時ごろまで授業。年中後半から年長になると、字を書いたりと「勉強」の色が濃くなってきます。
親の仕事の都合などでこの時間に送り迎えができない場合、学童保育のようなシステムがあり、朝7時半頃から夕方は18時半頃まで子供たちは専門のスタッフと過ごせます。
1ヶ月半登園したら2週間の休み
これは幼稚園に限らずフランスの学校共通ですが、バカンス、つまり長期休暇が非常に多いのです。
9月の新学期から夏休みまでの間に、10月ごろ:トゥッサン休暇、12月:クリスマス休暇、2月ごろ:冬休み、4月ごろ:春休みと、各2週間のバカンスが4回もあります。そして7月・8月は長い夏のバカンス。さすがバカンス大国です。
バカンス中は親も有給が取れていればどこかへ出かける家庭もありますし、そうでない場合はサントル・ド・ロワジール(centre de loisirs)と呼ばれる学童のようなシステムに参加できます。
食事は幼稚園で?家で?
昼食は、幼稚園で給食を食べても、自宅に帰って食べても構いません。自宅で食べる場合は親が迎えに行き、午後の授業に合わせて再び送って行きます。
給食はもちろんフランスらしい献立で、地元の食材にこだわった内容。チーズとデザートもしっかりついています。
公立校の給食費は親の年収から算出されますが、
一食1ユーロ(約120円)から6ユーロ(約720円)程度です。
気をつけたいのは、時々給食関係者のストライキがあり給食がない日があること。ピクニックと呼ばれるお弁当を持参すればいいこともあれば、全員自宅に帰って食べなければならないこともあります。
フランスの子供達のお弁当は、サンドイッチやパスタサラダが主流。そして小さい袋のポテトチップスが定番なのです。
行事や持ち物が少ない
入学式などのセレモニーがないことは冒頭に書きましたが、他の行事もそれほど多くはありません。年度末のお祭り(Fête de l’ecole)の他はクリスマス会くらいでしょうか。
幼稚園によっては仮装行列をしたり、「赤の日」などのように色が指定されて赤い服を着ていく日などもあります。
また、自分の誕生日には手作りケーキを持っていくことが多いようですね。
少ない行事の時は、料理を一品持って行ったりすることもありますが、基本的に親がする作業は多くありません。クラスでプールに行く、遠足に行く、などの外出の時に付き添いを頼まれる程度です。
共働きの家庭が大半なので、親の負担が少ないようになっているのでしょうか。毎日の持ち物も、念のための着替えをリュックに入れて行くだけです。
制服も決まった鞄などもないですし、日本のように指定されたサイズの各種手縫いバッグを作る必要もありません。イベントの衣装を手作りすることもほとんどないでしょう。
着替えとリュックに名前を書くだけで入園準備は終わってしまいます。正直親にとっては助かりますね。
幼稚園を選ぼう
ここに挙げたのは一般的な公立幼稚園ですが、そのほかにも私立幼稚園、モンテッソーリなどの理念に基づく幼稚園など様々な園があります。
園によっては、在籍数次第で2歳児からのトゥットゥ・プティット・セクション(toute petite section)と呼ばれる、年少さんよりさらに小さいクラスが開設されていることもありますから、希望する場合は問い合わせてみるといいでしょう。
私立幼稚園は授業料が発生しますが、公立幼稚園は給食費以外無料です。公立・私立共に長所短所がありますから、説明会などに積極的に参加して園決めの参考にしましょう。
そして、どこの園においても言えることですが、どんな授業か、どんな教育が受けられるかは担任の先生によって大きく左右します。
熱心な先生もいれば、残念ながらそうでない先生もやはり存在します。どんな先生に当たるか、こればかりは運かもしれません…。
どんな幼稚園でも先生でも、子供達が毎日元気に楽しく通える幼稚園生活をサポートしてあげたいものですね。
それではみなさん、Bonne journée!
ライター名 pompon
・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。