Bonjour!,c’est pompon!
フランスに来たことがある人、特に女性なら皆あることに困ったのではないでしょうか。
それは、トイレ。必ず当たり前に必要なものなのに、フランスではなぜ困るのでしょうか?
今回は、日本とちょっと異なるフランスのトイレ事情をご紹介したいと思います。
綺麗なトイレはまれ
デパートのトイレ、カフェのトイレ、公衆トイレ。いずれも、日本のように清潔で気持ちのいいトイレに出会えることはまずないと思っておきましょう。
基本的にいかにもトイレという臭いがしますし、使用後流していないトイレに遭遇したことも一度や二度ではありません。
清掃が間に合わないのか、それとも利用者のマナーが悪いのか、理想の清掃レベルの感覚が私たちとは違うのか、そのいずれもなのか…
フランスを訪れる日本人はもとより、地元のフランス人でさえトイレの汚さにはうんざりしています。
とは言え、ここ数年で多少綺麗なトイレが増えてきたような気がしています。
気軽に寄れるトイレはあるの?
日本だと、少し歩けばコンビニがあって、24時間いつでも綺麗に清掃されたトイレを無料で利用することができますよね。
フランスにはそもそもコンビニがありません。最近は夜遅くまでやっているコンビニサイズのお店があるにはありますが、基本的にセキュリティ上トイレは貸してもらえません。
もちろんショッピングモールやデパートにトイレはありますが、日本に比べて意外なほど数が少なく長蛇の列ができていることも。
トイレは見かけたら寄っておくようにするのがいいでしょう。
カフェやレストランで
ではフランス人たちは外出した時どこでトイレに行っているのでしょうか?
多くの人が、食事をした時には必ずトイレに行くと言います。さすがにレストランやカフェではトイレがほとんどの場合無料で使えます。
古いトイレで、コインを入れなければ使えないところでも、飲食した客であればコインを貸してもらえることがあります。
パリや古い建物の場合、トイレは狭い階段を降りた先の地下階にあることが多いので、小さなお子さん連れの場合は気をつけて。
そしてお茶のついでにトイレ、ということもありますが、トイレ目的でカフェに入ることもよくあります。トイレをするためにお茶を飲み、またトイレに行きたくなる…なんだか鶏と卵のようですね。
ちなみに私はトイレを借りるためにカフェに入って紅茶を注文し、いざトイレに行ったら故障中で使えなかったことがあります…。
公衆トイレを使ってみる
トイレに行くためにコーヒーを飲むのが嫌!であれば、公衆トイレを利用してみましょう。
長年悪評高かったパリの公衆トイレもすっかり綺麗になり、無料で使えます。地方都市にも使いやすい公衆トイレが増えています。
公衆トイレには色々な種類がありますが、たかがトイレと思わずに説明をよく読みましょう。使用後便器内を水で流すタイプなら問題はありませんが、それだけではないトイレもあるのです。
トイレ個室内部全体を毎回水で清掃するタイプがあります。この場合トイレから出てドアを閉めてから流すボタンを押さなければ、足元から頭から水浸しになってしまいます。
電車は?駅は?ファストフードは?
カフェや公衆トイレ以外にももちろんトイレはあります。どんなトイレなのでしょう?一般的な例をご紹介しますね。
電車の狭いトイレ
TGVやTERなど、長距離の電車の場合トイレはもちろん備わっています。ですが日本の新幹線のトイレなどに比べると恐ろしく狭く、そして清潔ではありません。
流れが悪いのかマナーの悪い人が多いのか、詰まってしまっていることもよくあります。特に発車して数時間経つと汚れも目立つので、ご利用はお早めに…。
駅のトイレは有料
全ての駅のトイレがというわけではありませんが、多くの駅でトイレは有料です。コインを投入して利用する場合もあれば、係りの人がいて、数十円程度の決まった額を渡して利用します。
有料だからと言って綺麗なわけではありませんが、他にないのなら仕方がありません。
ファストフードはドアコードが必要
こちらも店舗によりますが、普通のファストフード店では基本的にドアコードが必要となります。
これは飲食せずトイレのみ利用する人を避けるためで、レシートに記載されていることが多いでしょう。意外にも割と清潔です。
ちょっとびっくりするトイレ
それでは初めて見た人がちょっとびっくりする、フランスの驚きのトイレをご紹介しましょう。
便座がないトイレ
日本ではあって当然のウォッシュレットも暖かな便座も、フランスにはほぼありません。更に言えば、個人宅以外では便座自体がないトイレが大半です。男性が立ってする時の状態の便器があるだけなのです。
これは便座の裏に汚れが付着するのを防ぐためだとか、便座を盗って帰る人がいるからなど冗談のような説もありますが、とにかく便座があればラッキーなのです。
便座がない場合、多くの人はお尻を浮かせて用を足したり、綺麗にトイレットペーパーで拭いてから座ったりと人それぞれの工夫があります。
最初は衝撃的なこの便座なしトイレにも、そのうち慣れるものです。
和式風トイレ
トルコ式と呼ばれるトイレがあります。これは日本の和式のように直接座らないトイレですが、正方形の便器の中に足を乗せてしゃがむための島があります。
用を足すまではなんとかできるのですが、難しいのが流し方。島に足を乗せたままにしていると足までトイレの水でびしゃびしゃになります。かと言って便器から離れると水のレバーに手が届かず…。レバーを引いて急いで飛び退くという技が必要です。
今では少なくなりましたが、それでも屋外施設や公園、古い施設などでは遭遇してしまうトルコ式。
在仏日本人には恐れられている存在ですが、これしかなければ仕方がありません。今日もどこかで誰かが跳びのき損ねて靴を濡らしているかもしれませんね。
それでは、à bientôt!
ライター名 pompon
・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。