Ahoj!maminka!
私は、チェコが好きです。生活スタイルも、社会システムも気に入っています。どうして私がそんなにチェコが好きなのか、7点に絞って書いてみます。
1.夫が早く帰ってくる
チェコ人は、仕事より家庭を大切にしています。余ほどの事が無い限り、定刻に帰ります。しかも、朝早くから働いている人も多く、お医者さんは大抵朝7時から開いています。そして、閉まるのも早く、お昼3時ころです。街中のお店も、大型スーパーやショッピングモール以外は、夕方5時に閉まります。
朝早くから働いて、夕方早目に家に帰り、自分の家の用事をしてる人が多いのです。チェコでは、家で沢山することがあります。庭の手入れをしたり、家の壊れた場所を直したり、ちょっとした改築も自分でやってしまいます。なので、チェコの日曜大工の店は大きくて、何から何まで売っています。トイレの便器やシステムキッチン、部屋のドアなど、日本だと業者しか買わないような物も普通に売ってます。
そして、共働きが殆どなので、父親も、子供の学校の送り迎え、面倒を見なくてはいけません。子育てに父親がとても関わっています。うちの夫は、ちょっと帰りが遅い方で、夜7時ころになりますが、夕食を取って、子供にシャワーを浴びさせて、歯を磨いて、絵本を読んで寝付かせるのが、毎日の彼の仕事です。夫に感謝です。
夫が家にいる時間が長いので、夫婦で会話したり、2人の時間も持てます。子供を両親に預けて、夫婦だけでお出掛けする人も多いです。子供が出来ても、夫婦の時間を大切にします。
2.急がない
最初チェコに来た頃は、チェコ人があまりにも時間に正確でないことに、イラつきさえ感じました。日本では、「時は金なり」「5分前集合」を守って来た私でしたので、約束に遅刻したり、定刻にやってこないバスや電車にうんざりしていました。
でも、ここでは急ぐ必要はないようです。勿論、無駄に遅刻してはいけませんが、その理由が例えば、他に大切な用事があったとか、車が渋滞していたとかならば、その人に非はありませんから、これが原因でまず関係は悪くなりません。
それに、変に急いで余計なミスを招くよりも、遅刻しますと連絡を入れて、急がずに行く方が良いのです。お互い様なので、自分だけが時間にルーズだと気にする必要もありません。今では、待ち時間も有効に使って、待ち上手になった気がします。
3.お喋り好き
お喋り好きな人が多いです。公園で知らない人に会っても、お喋りします。私は見たからに外国人なのですが、そんな事は構わず、チェコ語で普通に話しかけられます。子供を遊ばせに公園に来ているのですが、ママもお喋りでその時間を楽しんでいます。
話している内容も、子供や家族の事、仕事の事、最近気になること、プライベートなことも結構話しています。ネタは尽きる事がないようです。
村には大抵、ホスポダという居酒屋があり、ここで人々が集まり飲んでお喋りして、情報の発信場所にもなっているようです。
あと、チェコ人ははっきり物を言います。きつい口調で言われると、まるで怒られているみたいで、慣れるまでは毎度落ち込みました。「あなたの言ってることが分からない。」とか「それは良くない。」とかはっきり否定するのです。やんわりと言ってくれないのです。
でも、これも慣れてくると、分かりやすくて良いです。チェコ人も別に怒っているわけではなくて、思いを素直に言っているだけなので、こちらも素直に言い返せばよいのです。
4.子育て方法の違い
日本とチェコで、子育ての環境は違います。チェコで良かったと思うのは、まずは、ベビーカーママが優遇されている事です。狭いトラムの中でも、ベビーカー用の場所が作られていますし、階段では近くの人が積極的にベビーカーを運ぶのを手伝ってくれます。ベビーカーが邪魔だなんて、誰も言いません。
抱っこ紐だと、誰にも手伝ってもらわずに階段も登れるし、混んでいるトラムでも場所を取らなくて良いです。でも重くて、長時間のお出掛けや重い買い物には向いていません。ベビーカーだとコロコロ押すだけですし、買った物や、オムツなどの必需品もベビーカーのカゴに入れることが出来るので、ママは荷物を背負わなくてすみます。
親の負担を減らしていると思えるのは、他にもあります。赤ちゃんとの添い寝はしません。赤ちゃんが寝付いたら、自分のベッドに移してあげます。慣れるまでは、直ぐに赤ちゃんが泣いてしまうので大変でしたが、慣れて赤ちゃんがひとりで寝てくれるようになると、ママも広いベッドで伸び伸び寝れます。早くから子供部屋のベッドで、ひとりで寝るようにもなります。
そして、鬼ママが多いです。とても厳しいです。公園からぐずって帰りたがらない子が、大声で叱られているのを何度も見ました。そうです、人前でも大声で叱り付けるのです。私は、人前で子供を叱りつけるのが恥ずかしかったのですが、そんなこと気にしていたら、子供はきちんと躾けられないと分かりました。
勉強についてですが、チェコには塾がありません。習い物も少ないです。子供の学習は学校が中心で、そこでしっかり勉強すれば良いようです。でも学校からの宿題は、親と子が一緒にします。子供に勉強を理解させるのは親の責任です。チェコでは親が、本当の家庭教師です。
5.人前で鼻がかめる
日本では、人前で鼻をかみにくいです。鼻水が垂れてきているのが分かったら、鼻紙を出してかむよりも、ズルッと鼻をすすります。私は、これが苦痛でした。急いでトイレに入って、それでも周りを気にして遠慮気味に小さく鼻をかんでいました。
これが、このチェコでは、人前でも思いっきり鼻がかめるのです。彼氏と一緒でも、ビーンっと思いっきり鼻をかみます。直ぐにスッキリするので、快適です。
不快な音は、文化によって違います。お茶や蕎麦をすする音は、日本では良いですが、チェコでは駄目です。同じく、鼻をすする音も駄目です。私は、お茶やスープの音はどちらでも良いと思うのですが、鼻は、かんだ方が断然良いと思います。
6.手作りが好き
日曜大工が得意なのは先に書きましたが、お菓子にしても、プレゼントにしても、手作りが好きです。クリスマスや復活祭など、親戚が大勢集まる時は、何日もかけて沢山の種類のお菓子をいっぱい作ります。クリスマスマーケットには、プレゼントを求めて客が集まりますが、焼き物や、アクセサリー、ガラスや鉄細工など、手作りがいっぱいです。
プレゼントも、高いブランド品を渡すことは少なく、手作りの店で買った手ごろなアクセサリーや飾り物などを貰う方が多いです。
7.必要最低限
チェコには、行き届いたサービスも、豊富な品揃えもありません。例えば、出産ですが、日本だと、入院中に豪華な食事やエステなどのサービスがあると聞きました。チェコでは、子供を産むための必要最低限な環境の病院です。食事は普通の病院食ですし、ママへのサービスはゼロです。
レストランに行っても、店員さんの沢山の笑顔や挨拶はありません。料理が美味しければ、その他のサービスはいらないようです。スーパーに行っても、並んでいる野菜やお菓子の種類は少なく、パンもケーキも、同じような味の物ばかりです。でも、これでも十分食べていけるのです。
学校の教科書は、先輩からのお古を使いまわします。図書館の図書カードみたいに、教科書の最後のページに、先代の子の名前が書き綴られています。破いたり汚してしまった時は、そのことも書いて、50円くらいの罰金を払います。そうして、大切に教科書を使います。
病院もタダですし、産休、育休制度もありますし、社会システムは整っています。贅沢は無いけれど、必要なことは整っている社会だと思います。
まとめ
チェコは、1989年以前は共産国でした。私より若い子たちが、まだ共産時代を知っています。クリスマスには、国からバナナとオレンジが配られたとか、そんな私の母から聞くような話を、私より若い子がするのです。
だから、まだ店の品揃えやサービスが少なく、何でも手作りするのかも知れません。私には、こういう社会が丁度バランスが良い感がします。最初は驚くことがいっぱいだったチェコでの生活でしたが、今では、ここが一番居心地良いです。
Hezky den!
ライター名 マミンカ
渡航した年 2006年
お住いの国 チェコ共和国
公用語 チェコ語
プロフィール 11年前、ステンドグラスに魅せられて、チェコの工房で働きたい一心で渡航し、教会ステンドグラスの修復などを学びました。今は5歳と3歳の男の子の母親です。みなさんに役立つチェコ情報を届けたいと思っています。