Ahoj!Maminkaです。
今回は、チェコ語について書きたいと思います。チェコ語は、チェコでしか話されていない言葉で、スラブ語に分類されます。ロシア語も同じスラブ語に分類され、とても似ています。
語学学校で知った、チェコ語の難しさ
私は、チェコで仕事を見つけるためにやって来たので、まずは言葉を習得しようと語学学校に通いました。そこで初めて、チェコ語の本当の難しさを知りました。
ややこし過ぎる文法
チェコ語は、とても文法がややこしいです。女性名詞、中性名詞、男性名詞はフランス語にもありますから、驚きません。でも、それで人の名字まで変わってしまうのです。夫婦で名字が違うのです。男性と女性ですから、名字の形が変わってしまうということです。
それに、ファーストネームも変化します。例えばハナさんだったら、彼女の名前を呼ぶときは、「ハノ!」となります。彼女に物をあげたかったら、「ハニェにあげる」となるのです。名前が変わるなんておかしいですよね。誰なのか分からなくなってしまいます。でも、それがチェコ語なのです。
他にも複数形と単数形で活用が違いますし、文法は覚えなくてはいけないことが沢山あります。
難し過ぎる発音
日本語は、尊敬語や丁寧語など、言葉の使い方は難しいですが、発音は簡単だと思います。外国人でも、日本人の後について「あいうえお」の発音を繰り返すのは簡単なようです。
でもチェコ語はその発音が難しく、何度聞いてもチェコ人のように発音するのは難しいです。そもそも、その音の違いを区別できなかったりします。旦那に言わせれば違う音だというのですが、私には同じに聞こえてしまいます。
最も難しいのが、チェコ語独特の音、ř です。意識していないと違う音になってしまいます。
言葉は慣れるもの
どんどんチェコ語の文法で頭がいっぱいになり、チェコ語が話せない話せないと思っていたころ、目から鱗の体験をしました。チェコで暮らすあるひとりのロシア人と話した時です。彼女は、それは上手にチェコ語を話し、何の問題もないようでした。
彼女は、「私も最初は苦労したわよ。でも、言葉は慣れるものよ。使っていれば出来るようになるわ。」と話してくれたのです。私は、文法や発音が出来てないと言葉は通じない、そんな状態で喋るのは恥ずかしいと思っていました。でもそんな事は考えず、とにかく喋っていれば、慣れてチェコ語が出来るようになるというのです。
言葉はコミュニケーションの一番の方法ですが、それが十分に出来ていなくても、身振りや手振り、顔の表情も合わせれば、コミュニケーションは取れるのです。そうしているうちに慣れてきて、どんどん言葉も口から出るようになります。まずは、相手に自分の気持ちを伝えたいという意思が大切なのです。
言葉に慣れるために
教科書を見て勉強していた時は、覚えなくてはいけないことが山ほどあって、チェコ語に溺れそうになっていました。でも、言葉は慣れるものだと聞いてからは教科書から離れ、街に出るようにしました。
語学学校が終われば街に出て、出来るだけチェコ語を耳で聞くようにしました。お店に買い物に行って、ちょっと分からない事があれば、例えば「バターは何処に置いてますか?」でも何でも店員さんに聞いて、チェコ語を喋るようにしました。
そうしている内に、結構チェコ語が通じることが分かり、自信がついてきました。日常で使う言葉を中心に覚えていき、使ってみて分からないことが出てきたら教科書を見て調べるようにしました。言葉が通じない状況に陥っても、それにも慣れてきて、言葉が完璧でなくても何とかなるという図太い心も育ちました。
そして、チェコ語が楽しくなっていきました。
チェコ人は英語をあまり話さない
日本と同じく、チェコでも学校で英語を学びます。革命前はロシア語だったそうですが、今では英語を学ぶ人が多いです。他にも、ドイツ語ができる人が多いです。
でも、普段の生活の中で、外国人の私にやさしく英語で対応してくれた人は少ないです。役所に行っても、買い物に行っても、外国人だからと英語で話しかけてくれる人も、サービスもありません。
最初に驚いたのが、外国人警察の対応でした。はなから外国人を邪魔者扱いしているかのように、「チェコ語が話せないなら、話せる人と一緒に来い!」と一喝されました。まだチェコに来て数日だった私は、この冷たい対応に唖然としたのを覚えています。
街でも、見るからに外国人の私に、平気でチェコ語で道をたずねたり、電車の停車駅を聞いてくるチェコ人がいます。外国人だから聞くのはよそうとか、英語で話しかけようという考え方はあまりしない人達なのかもしれません。
まだまだだな
周りの人から、「チェコ語が上手になったね。」と言われます。それは11年もいれば当然です。けれど11歳の子供は、私よりはるかに上手にチェコ語を喋りますし、自分では全然だめだと思っています。教科書を眺めるのを止めてしまったことで、文法が分かっていません。喋れてはいるし、相手に私の言いたいことは伝わっているけど、正しいチェコ語ではないのです。
チェコ人とお喋りしていると、ことわざや歴史から引用された言葉がよく出てきます。私はそういう知識が無いので、何の話なのか分からず、毎回私に説明するために会話が中断します。最初は申し訳ないと思っていましたが、最近は、説明してくれているチェコ人もそれを楽しんでいるのが分かってきました。
言葉は、慣れてしまうと何の疑問も持たずに当然のように使うようになります。でも、外国人からすれば、「どうして?」と思う事が沢山あるのです。私がチェコ語で「どうして?」と感じたことを素直に言うと、チェコ人は、「なるほど、どうしてだろう?」と改めて考え直せて、それはそれで面白く感じてくれているようです。
まとめ
言葉は、慣れるものです。間違わないようにと硬く構えて話すと、自分が言いたいことが言えなくなってしまいます。なので、間違ってでも自分の言いたいことを伝えようとすれば、相手にはきっと伝わります。間違いを恐れずに、まずは使ってみましょう。
Hezky den!
ライター名 マミンカ
渡航した年 2006年
お住いの国 チェコ共和国
公用語 チェコ語
プロフィール 11年前、ステンドグラスに魅せられて、チェコの工房で働きたい一心で渡航し、教会ステンドグラスの修復などを学びました。今は5歳と3歳の男の子の母親です。みなさんに役立つチェコ情報を届けたいと思っています。