Ahoj maminkaです。
独身の時は、殆どお医者にかかることがなかった私ですが、結婚して妊娠、出産、子供が出来てからは特に、月に一度はお医者のお世話になっています。そこで知った、日本との違いなど、気になるチェコの医療事情についてお話します。
医療費
チェコにも、日本と同じように、健康保険のシステムがあります。健康保険料は、給料の13.5パーセントです。サラリーマンなら、給料から自動的に4.5パーセント引かれ、残りの9.5パーセントは会社が負担してくれます。
病気やけがをして、医者に行ってもお金は払いません。この保険で、ほぼ全ての医療費がタダなのです。私がチェコに来た10年ほど前は、まだ、初診時に30コロナ(150円くらい)を支払い、2回目からは無料でした。けど、今ではこれも廃止され、全く払う必要がなくなりました。
処方された薬は、安くはなりますが、お金を払って買います。
自分の医者を決める
チェコでは、風邪をひいたり、ちょっと膝が痛いくらいなら、まず、自分の町医者に行きます。その医者は、内科や外科、皮膚科と言った、専門医としてではなく、何でも診てくれるのです。
勿論、骨折したとか、頭から血が出るケガをしたとか、明らかな大けがをした場合は、直接大きな病院へ行きます。でも、ちょっとしたことなら、何でもまずは、この自分の町医者で診てもらいます。そして、必要あれば、先生が大きな病院を紹介してくれるのです。
町医者は、街に沢山あり、自分で選びます。家から一番近いからとか、先生が良いからとか、理由はそれぞれですが、一人を選びます。私も、一度引っ越しをしていますが、引っ越してから、まず自分に合う先生を選びました。
出産事情
出産費用も、ほぼタダです。これは、本当に有難いと思います。毎月の検診も、エコー検査も、高齢出産だった私は、羊水検査の費用もタダでした。出産で入院した5日間ほどの宿泊費は払いましたが、それも一日500円くらいでした。
生まれて直ぐに、子供の医者を決める
町医者を自分で選ぶと上に書きましたが、子供にも、生まれた時に、町医者を選びます。子供専門の先生がいるので、その中から選びます。出産で入院中に、医者を決めて、退院する前に、書類を提出します。
私たちは、長男が生まれた時、まだ子供専門の先生について知らなかったので、誰が良いのか分からず、とりあえず一番家から近い先生を選びました。そして、退院したら数日以内に、その先生と連絡を取り合って、検診を受けに行きました。それからは、定期健診も、病気になっても予防接種を受けるのも、この先生でした。
次男の時は、田舎に引っ越した後でした。周りの評判なども聞いて先生を選びました。すると、産後退院して数日後に、先生が家を訪問してくれ、赤ちゃんの寝るベッドをチェックしたり、風呂の入れ方、爪の切り方などなど、生活に関する事何でも丁寧に教えてくれました。
田舎の先生だからなのかどうか分かりませんが、こんなに丁寧なシステムが整っている国とは知らず、驚きました。長男も、前の先生に連絡して、全ての病歴やカルテを新しい先生に引き継いでもらい、今は、この先生に息子2人ともお世話になっています。
チェコで見た変わった治療法
ここに来て初めて知った、見た治療法です。本当に効くのか、まだ試した事がないので分からない物もありますが、私の周りでは、効いているようです。
赤ちゃんに魚の油
赤ちゃんは、ビタミンの入ったオイルを一日一滴飲みます。ここには、数種類のビタミンが入っていますが、魚の油に相当するビタミンDが重要だそうです。
チェコ人は、魚をあまり食べません。チェコには海が無いのです。なので、こういうビタミンを飲むのだろうと思います。旦那が子供の頃は、スプーンで一杯、魚の油を飲んでいたそうです。
風邪をひいたら喉を濡れタオルで巻く(Priessnitzův zábal)
風邪で喉が痛い、熱が出た、乾いた咳が出る時、首にぬるま湯で濡らしたハンカチやスカーフを巻きます。その上からサランラップなどを巻いて、ハンカチを密封します。更にその上から、乾いたタオルなどを巻いて冷え過ぎないようにします。これで2時間ほど放っておきます。
プリゼンスカー ザーバル(Priessnitzův zábal)と言われる方法です。こうして、濡れたハンカチで、首の血管を最初はやや冷やし、その後体温で徐々に温められた濡れハンカチから蒸気が出てきて、サランラップの内側で小さなサウナのようになります。首の周りの血管が広がっていき、のどの痛みや咳が治まりやすくなるというものです。
必要ならば、一日に3〜4回しても良いそうです。
通り風は良くない。耳を隠す。
家の中で、空気の入れ替えをしようと、窓を2か所開けると、風が吹き込みますよね。その風の中にいると、耳に風が当たって痛くなると言うのです。私は今まで、そんなこと気にしたこともなく、今でも吹き込む風の中に立っていますが、彼らは耳を塞ぎます。
外でもそうです。風が強いと、耳を帽子で隠したりします。確かに、冬の冷たい風に当たり過ぎると耳が痛いですが、私はここまで自分の耳に気を使うとは知りませんでした。チェコでは冬は、みんなしっかり帽子を被り、耳を隠しています。
頭を打っても冷やさない
日本だと、頭を打つと、こぶが酷くならないようにと、直ぐに頭を冷やしますよね。けど、チェコでは冷やしません。冷やした方が良いという考えが無いようです。
コプシヴァ(Kopřiva)
野原でよく見かける薬草の一つに、コプシヴァというのがあります。これは、葉にも茎にも、小さなとげが沢山生えていて、手袋をはめていても、とげがチクチクして、抜くのが嫌な植物です。
このとげが刺さると、最初はチクチクして、段々ヒリヒリしてきて、悪い虫に刺されたのではと感じるほどの痛みがあります。暫くその痛みは消えません。しかし、これをチェコ人はよく利用します。
膝が痛いとか、体が痛い時は、その部分をこの葉っぱで叩けば、良くなるそうです。私は、試したことが無いのですが、昔はそうしたそうです。他にも、お茶にしたり、スープにいれたりもしたそうです。シャンプーに入っていたりもします。
あと、子供が悪い事をしたら、そのお仕置きに、コプシヴァでお尻を叩いたという話も聞きます。痛いですが、薬草なので危険ではないですね。
温泉地療養
チェコには、有名な温泉療養地がいくつかあります。病院で推薦状を書いてもらえれば、安くそこで生活できます。一か月という長い期間、お風呂にはいったり、運動したり、食事したり、色んな治療を受けながら暮らすのです。大抵は、お年寄りなのですが、時には、喘息もちの子供や、アトピーの子供などもいます。
同室の人と仲良くなったり、いつもと違う生活を、楽しく過ごす人もいるようです。実際、そこに義母や従弟が行き、元気になって帰ってきました。従弟は、まだ10歳くらいだったのですが、ひと月間そこで暮らし、喘息が良くなり、とても病気がちの子だったのですが、今では殆ど病気をしません。
まとめ
チェコでは、自分の町医者が決まっていて、体の調子が悪くなれば、まずそこに行きます。医療費はタダ、出産費用もタダですが、健康保険料は13.5パーセントで、決して安いとは言えません。魚の油やコプシヴァ、プリゼンスカー ザーバルなど、面白い治療法があります。
Hezký den!
ライター名 マミンカ
渡航した年 2006年
お住いの国 チェコ共和国
公用語 チェコ語
プロフィール 11年前、ステンドグラスに魅せられて、チェコの工房で働きたい一心で渡航し、教会ステンドグラスの修復などを学びました。今は5歳と3歳の男の子の母親です。みなさんに役立つチェコ情報を届けたいと思っています。