朝までお祝いするフランスの結婚式はアイデアと体力勝負!

Bonjour!,c’est pompon!

皆さんは、海外挙式や海外フォトツアーなどに憧れたことはありますか?歴史的な素敵な街並みの中で結婚式…一生の素晴らしい思い出になるでしょうね。

では、そんな絵になる国に住んでいるフランス人たちの結婚式は、どんな風なのでしょう?日本のようにプランナーがいるのでしょうか?やっぱり教会で?

今回は、そんな気になるフランスの結婚式をご紹介していきます。

市役所や町役場での式は必須

まず、フランスの民法上の結婚式Mariage Civilは、必ず市役所や町役場などで行われます。

町役場で結婚!?と思われるかもしれませんが、婚姻届を提出するだけで結婚できる日本とは異なり、フランスの結婚(そして離婚も)手続きは大変です。

事前に出生証明書や独身証明書、慣習証明書などを在住地の役所に提出し、結婚することが公示されます

国際結婚の場合はこれらを本国から取り寄せ、法定翻訳をし…と多くの書類が必要になります。ちなみに日本人がフランス人とフランスで結婚した場合、日本にその旨を知らせる書類を提出しなければなりません。

そして事前に予約してある婚姻日に、当事者とそれぞれの証人が訪れ、市長や町長またはその代理人の元婚姻を誓います。これで二人は正式な夫婦になれるのです。役所で結婚式を挙げると言っても、事務作業をしているところで行うわけではありません。役場には必ず結婚式を行う部屋があり、装飾も美しく施されています。

こちらに招待客を招くこともあれば、教会式やパーティーにのみ招き、15分ほどの役場での式は身内のみ、という場合もあります。

この後に続く式を同じ日に行いたい人が多いので、土曜日に行われることが多いでしょう。また役場での式は簡単に平日などに行っておき、週末にパーティーを行う人もいます。

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教会ウエディングをするかは自由

法律上夫婦になった二人は、キリスト教徒の場合教会式を挙げることが多いでしょう。片方がキリスト教徒でなくても、事前に話を聞き準備をすることによって教会式を挙げることができます。

時代が変わり、教会での式に意味を感じないカップルもいるので、教会で式を挙げるかどうかはまさに人それぞれです。

パーティーはとにかく長い

そして披露宴に当たるパーティーですが、これが本当に長いのです。食事の前のシャンパンタイムだけで2時間3時間は当たり前です。

それからフランス料理のフルコースを、たっぷり時間をかけながら食べ、親族や友人たちの余興を挟み、ケーキカットをして振る舞い…デザートが終わった段階で真夜中過ぎなのが普通です。

それからダンス。新郎新婦はもとより、参列者がみんなとにかく踊って盛り上がります。

早く終わるパーティーで夜中2時、朝まで踊り飲み明かすことが一般的なのです。当事者もですが、参列する方も体力がいります!

朝までお祝いするフランスの結婚式はアイデアと体力勝負!

結婚式のファッションは?

新郎新婦は当然ウエディングドレスとタキシードが定番ですが、日本と違ってレンタルドレスはあまりありません。購入が一般的です。

そして、「カップルはお互いの衣装を結婚式当日まで見なければ二人は幸せになれる」と言われているので、それぞれの衣装は家族や友達を伴って選ぶことが多いのです。日仏カップルの場合は着物を着ることも。

対するゲストはどうでしょう。日本ほど「結婚式お呼ばれファッション」が画一化されていない印象です。とってもラフな格好で来る人もいれば、羽根のついた大きな帽子が素敵なマダムもいます。

よくあるのは、テーマカラーが決まっていること。カップルが決めた結婚式のテーマカラーに従って、ゲストはファッションを選ぶのです。

招待状にその旨が記載されていて、女性ならドレスやアクセサリーに、男性ならネクタイやポケットチーフなどをテーマカラーに合わせます。

式当日は、みんなそれぞれ個性的でおしゃれなのに色に統一感があってとても素敵です。

朝までお祝いするフランスの結婚式はアイデアと体力勝負!

翌日も続く!?

朝まで飲み明かした結婚式。しかしまだ終わりではありません!

翌日も、親しいゲストや都合のつくゲストを招いてランチです。これは前日の式のようにかっちりしたフルコースではなく、ビュッフェスタイルだったりケータリングだったり、ラフなものです。

昼頃に眠い目をこすりながらゾロゾロと集まってきて、一夜明けた幸せそうな新婚夫婦と食事。

私たちはこの日にピエス・モンテ (Pièce-montée)と呼ばれる、マカロンを山形に積み重ねたケーキを振る舞いました。ピエスモンテは結婚式の定番ケーキなのです。

朝までお祝いするフランスの結婚式はアイデアと体力勝負!

一般的な予算は?

フランスには日本のような結婚式場はありません。従ってウエディングプランナーさんもいません。

パーティー会場はレストランやお城だったり、セーヌ川の遊覧船だったり、はたまた町のイベント会場だったりと、本当に様々です。

カップルは自分たちの希望と予算と擦り合わせながら、テーブルセッティングから部屋の飾りつけまでを自分や家族、友達と手作りで仕上げていくのです。

もちろんリッチな二人はある程度予算をかけて人にお任せすることもあるでしょうが、一般的な結婚式は日本とは桁違いに非常にリーズナブル。日本の結婚費用を聞くとフランス人は目をむいて驚きます。

現実的なところのあるフランス人たちは、結婚式に莫大な費用をかけるよりも、その後の生活や新婚旅行に当てたいと思うようです。

それは、結婚自体をあまり重視せず、事実婚でいることにも関係しています。フランスの事実婚、多様なカップルの形についてはまた次の機会にお話しできたらと思います。

それではみなさん、Bonne journée!

ライター名 pompon

・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。