Bonjour!,c’est pompon!
フランスに無事到着したら、まずしなければならないのは家探しです。
外国人として住居を探して契約するには、自分の国日本でするのとはまた違った難しさもあります。今回は、フランス生活の基点となる家探しについてお話していきたいと思います。
フランスの住宅事情とは
住まいの形には、寮、ホームステイ、アパルトマンや一軒家での一人暮らし、シェアなどがあります。学校などを通して寮に入居できれば、住居探しに時間を取られることもなく安く暮らせるのですが、同時に狭き門でもあります。渡仏すぐですと、一人暮らしのための賃貸アパルトマンを探す人が多いことでしょう。物件には家電屋棚など家具付きの物件と、家具なしの物件の2種類があります。
フランスでは都市部、特に首都であるパリは慢性的に住宅難です。狭いパリ市内にはアパルトマンがたくさんありますが、新たに建物を建てることはスペース的にも景観的にも簡単ではありません。したがってパリに住みたい人は住宅の数より常に多いため、仕事を持っているフランス人であっても条件に合う住まいを見つけるのは難しいのです。
郊外や地方都市であれば一軒家も多く見られ、新築のアパルトマンが建てられている地域も多く、パリよりは比較的簡単に安い家賃で暮らすことができます。
どうやって探す?
外国人、かつワーキングホリデーや留学などで正規終身雇用の仕事がない場合、不動産屋などではあまり選択肢が多くないことが一般的です。特にまだ言葉に自信がないのであれば、日本語で探せる方が安心ですね。
地方では難しいのですが、パリやリヨンなどの大都市では、日本語での住宅案内を利用することができます。
ひとつはフリーペーパーや在仏者向けのウェブサイトなどで個人貸しの物件を探す方法。仲介手数料が発生しないこともあり、フランスでは多くの人が個人貸しを利用しています。
在仏の日本人や、日本人に貸したいと思っている大家さんが個人でアノンス(広告)を出しています。綺麗に使い、家賃の滞納などの問題も少ない日本人は、借り手としては人気があるのです。日本人賃貸人によるシェアメイトの募集も多くみられます。
また、フランスには国からの住宅補助(CAF)というシステムがあります。収入に応じて適用されるもので、留学生にもその権利があり日本円で2万円前後が給付されることが多いでしょう。その手続きの為には大家さんに住居証明を出してもらう必要があります。しかし中には「家賃収入を得ていることを内緒にして貸したい」という大家さんもいて、証明書を発行したがらない場合もあります。家を決める前には注意したい点ですね。
もうひとつは、日系の不動産会社を通して借りる方法。手数料はかかりますが、いくつもの物件を持っていて日本語でプロに相談もできるので安心できる方法の一つです。
いずれにせよ忘れてはならないのは、「日本人だから安心」というわけではないこと。残念ながら同じ日本人による、日本人を狙った詐欺などの犯罪は多いのです。不審な点はないか、注意しておきましょう。
見学に行ってみよう
良さそうな物件があれば、早速連絡を取ってみましょう。競争率の高いパリでは、あっという間に決まってしまうこともあるので、気になればすぐに連絡する、スピードが大切です。
連絡をしてみて、まだ賃貸人が決まっていなければランデブー(約束)を取って見学にいきます。中には物件を見る前に決められる物件もあるようですが、契約後のトラブルを避けるためにも見学に行きましょう。
渡仏して間もないのであれば、誰かフランス暮らしに慣れている人に同席してもらうのもいいでしょう。
見学の際は、物件の内部だけでなく周囲の環境にも注意したいですね。
人気の物件では即決を求められる可能性もあるので、パスポートなど必要な書類を持っていくことをお勧めします。
決めた!いざ契約
物件も周囲の環境も気に入って、いざ契約となった時に問題になるのは言葉の問題。日本人の大家さんであってもフランスで賃貸契約を結ぶ以上、契約書はフランス語です。言葉のわかる人に付いてきてもらった方が安心ですね。
契約の際にはcaution(保証金)として一ヶ月の家賃を払います。(退去時に問題がなければ返金されます。)小切手が必要なことが多いので、契約の前にフランスに銀行口座を開いておくことも必要だと思います。
住まいは暮らしの基本
私は引っ越しが多く、これまでに7軒のアパルトマンに暮らしてきました。パリやその郊外での家探しは地方に比べてやはり大変ですし、家賃も随分割高です。そのためフランス人であっても学生の場合は寮への入居を希望したりシェアしたりが一般的です。
ただ見知らぬ人と一緒に暮らすとなれば問題も出てきますし、安全面でも注意が必要です。特に女性は、トラブルを回避するためにも慎重に決めるべきでしょう。
私が最初に暮らしたアパルトマンは非常に治安の悪いところにあり、案の定入居して1年半後に問題が起こりました。即引越しを考えましたが、治安を優先するとどうしても家賃が高くなります。中心部や16区などですと、同じ部屋の広さでも200ユーロ(26,000円前後)から300ユーロ(40,000円前後)割高になりますが、何かあってから後悔するのでは遅いと思い、夜でも安心して歩ける地域への引越しをしました。
もちろん人それぞれ経済事情は異なりますが、海外では「お金で買える安全もある」ということは忘れないでくださいね。
それではみなさん、Bonne journée!!
ライター名 pompon
・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。