スペイン人との体当たりで国際結婚!右も左も分からないままの移住

¡Hola a todos! Soy Sakineco.
Hola a tothom! Sòc Sakineco.

短期語学留学先で出会ったスペイン人の彼と結婚することになりました。結構ノリで決めちゃった国際結婚、スペインのことなんてなーんにも知らない私(スペイン語も渡西当時ほぼゼロ)。パートナーとは、お互いにとって第二外国語の英語でやり取りをしていました。スペインでの新生活、一体どうなるのやらと、不安もいっぱい、でも期待もいっぱいのスペイン移住でした。

日本とスペインの直行便はようやく去年から就航

昔々は東京(成田)からマドリード(バラハス)までの直行便がイベリア航空の運行で飛んでいたのですが、私がスペインに住んでいた間、日本・スペイン間の直行便はありませんでした。多くの日本の地方都市と多くのヨーロッパの地方都市を行き来する国際便が何本もあるこの時代に、日本からスペインにはドアtoドアで行くことができませんでした

まず結婚に向けて色々な手続きを進めるためにスペインへ渡った時は、オランダのアムステルダムを経由しました。私の母は国際結婚には賛成してくれていましたが、「せめて直行便のある国にお嫁に行ってくれたらいいのに」と最後まで嘆いていました。

直行便があるかどうかなんて、別に大した問題ではないと思う方もいるかもしれません。しかし海外に移住した後、日本と行き来したり、家族や友達が遊びにきたり、子供を連れて日本へ里帰りをすることがありますよね。その時に、直行便で帰れる手段があるかどうかということは、結構大きなことなのです。
飛行機は天候やトラブルで時間が大幅に遅れたり、飛ばなかったりということがあるので、できるだけ乗り換えはしたくないのですが、直行便がないのなら経由するしかありません。

私がスペインに住んでいた間、ずーっとまことしやかに「そろそろ直行便が飛ぶらしい」という噂が流れ続けていましたが、結局運行することはありませんでした。もう、飛ぶ飛ぶ詐欺のようなものだなと、本気にしていなかったのですが、私がスペインを出て2年後、去年から週に3回、東京・マドリード間の運行が開始されたそうです。

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美食の国だけど日本食が恋しい

結婚を決め、スペインへの移住を決めたけれど、心配なことはたくさんありました。

スペイン語は移住してから語学学校に通って現地で揉まれればできるようになるだろうと思っていました。短期ですがイギリスへの語学留学も2度ほど経験していて、同じヨーロッパだしなんとかなると思っていた部分がありました。

結婚生活についても、彼は誠実で真面目な人だし特に不安はなく、どうしてもダメだったら日本に帰ろうという、割と軽い気持ちで結婚してしまいました。(その後、そんな軽い気持ちで結婚してしまったことを大いに後悔することになるのですが・・・)

ただ一つ、とても不安に思っていたことは食生活です。もともと超和食派の私は、毎日スペイン食というのは絶対に無理だと思っていて、その不安は結婚前から彼にも伝えてありました。

日本食レストランはあるのか、和の食材は手に入るのかということをリサーチしてもらいました。彼曰く、日本食レストランは数カ所あるし、日本のものを専門に売っているお店もある!ということだったので少し安心しました。ですが行ってみてびっくり。レストランも、食材店も、もうべらぼうに高いのです。一般市民が気軽に手を出せるような金額ではなかったのです。

日本だったら100円で買えるふりかけが500円くらいする、そんな世界でした。スペイン生活最初の数年、とにかく苦労したのは食生活です。スペインは美食の国と言われますが、当時の私は、生ハムの美味しさとか、全くわかりませんでした。パエリアも美味しいのですが、毎日は食べられません。

私が渡西したのは今から12、3年前のことです。現在では、スペインの地方ではまだまだ色々不便かもしれませんが、バルセロナには中華食材店や韓国食材店ができ、アジアのものは手頃で簡単に手に入るようになりました。

日本人が作るお豆腐屋さんもできました。日本食レストランも以前は高級で敷居が高い場所でしたが、現在は日本食ブームの波に乗ってたくさんの和食レストランができ、手頃な値段で美味しく食事ができる場所がたくさんあります

スペインで受けたカルチャーショック

みんな喧嘩している!?

最初全くスペイン語がわからなかった私ですが、道を歩いている時などに、あちらこちらで人が喧嘩している!なんだこの国!?と思いました。しかし実際には、喧嘩などしていません。声の大きさや身振りや手ぶりが、言い合いをしているように見えたのです。

とにかく声が大きい。怒鳴っているように聞こえる。身振りも大きく、手をブンブンふりまわす。相手がまだ喋っているのに、かぶせるようにしてもう一方も大声で話し始める。二人同時にワーワー喋っていることもよくある。

ということで、スペイン初心者で小心者の私は、お散歩に出るたびに、大声でワーワー言い合うスペイン人を見ては怯えていました。

お店がやたらと閉まっている

東京生まれ東京育ちの私は、年中無休24時間営業のコンビニやファミレスと共に生きてきました。スーパーマーケットも深夜・早朝まで営業しているし、居酒屋やレストランは一日中、あるいは夕方から早朝まで営業していて当たり前だと思っていました。そんな便利生活がスペインに移住して一変しました。

最近では随分変わってきましたが、私が移住した12、3年前は、日曜祝日はお店は全て閉店しました。2連休3連休ともなると、2日3日買い物ができない。シエスタ(昼寝)タイムがあり、午後1時から4時くらいまで、お店が閉まる。レストランはスペインの食事の時間に合わせてしか開かない。という、不便な生活にカルチャーショックを受けました。

いつでも必要な時に買い物ができる、好きな時に好きなものが食べられる、なんて素晴らしいことだったのだろうと、日本を出てから日本のすごさに気がつきました。

カタルーニャ語という第一公用語の存在

これが一番大きなカルチャーショックだったと思います。あまり知られていないことですが、スペインにはスペイン語ではない言語を第一公用語として使用している地域があります。一つは私が住んでいたバルセロナのあるカタルーニャ州。第一公用語はカタルーニャ語です。カタルーニャ語はマジョルカ島やメノルカ島などでも話されている言葉です。その他、バスク地方はバスク語、ガリシア地方はガリシア語が第一公用語となっています。

私はこの、スペイン語以外の第一公用語の存在を知らずにバルセロナへ行きました。
カタルーニャの人は、皆スペイン語はわかる人たちですが、自分たちの公用語「カタルーニャ語」にとても誇りを持っていて、カタルーニャ圏に住むとしたら、いろいろな面でカタルーニャ語が必要になります。

例えば、スーパーや市場へ買い物に行った時、売られているものの表示は全てカタルーニャ語で書かれています。レストランに入ると、メニューもカタルーニャ語です。子供の教育もカタルーニャ州ではカタルーニャ語で行われ、保護者会に行ってもカタルーニャ語、学校からのお便りもカタルーニャ語、宿題もカタルーニャ語で、本当に、カタルーニャ語に苦労しました。

外国人が外国に住み始めた時に、初級から中級まで政府の援助で語学が学べる制度がある国がありますが、(例えば、フランス語ならフランス語、スペインの他の州ならスペイン語が、移住してきた外国人は無料あるいは低額で学べる)カタルーニャ州の場合は、スペイン語は無料で学ぶことができず、カタルーニャ語のコースは無料で受けることができました。

何か勉強をしようと思い大学に通うとか、資格を取るためのコースに通うという場合も、スペイン語ではなくカタルーニャ語というところが多く、このカタルーニャ語の壁が高く高くそびえ立っているのがカタルーニャ圏の現状です。もちろん、就職しようと仕事を探す場合も、カタルーニャ語レベルいくつ以上という条件があったりします。

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合言葉は”¡No pasa nada!”

色々苦労が多かったスペイン生活というか、カタルーニャ生活でしたが、スペイン人は総じて優しくとても親切です。「他人のことに首を突っ込まない」「面倒臭そうなことには我関せず」が多い日本人と比べても、スペイン人は首を突っ込みたがり、口を出したがり、手を貸そうとしてくれます。

困ったことがあると、必ず誰かが近寄ってきて、どうしたこうしたと面倒を見てくれ、助けてくれるそんなお国柄です。

スペインに住むのなら、フレンドリーなスペイン人を見習って、人に会ったら知らない人にも元気に「オラ!」と挨拶をすること。そして常に前向きなスペイン人の大好きな言葉”¡No pasa nada!” (ノ・パサ・ナダ!)=大丈夫!をモットーに、人生を楽しむことが大事です。

¡Qué tengan un buen día!
Us desitgem un bon dia!

ライター名 さきねこ

渡航した年:2005年 スペインへ(9年間在住)、2014年 イギリスへ(現在3年目)
公用語:スペインの公用語はスペイン語ですが、住んでいたバルセロナのあるカタルーニャ州では、第一公用語はカタルーニャ語です。今住んでいるイギリスでは英語です。
プロフィール:二人の子供の子育てをしている30代の主婦です。夫の国スペイン、バルセロナに9年住み、様々なカルチャーショックを受けて暮らしてきました。現在はイギリスの田舎に移住し、英語・スペイン語・日本語を使って生活しています。子供たちをマルチリンガルに育てるべく、奮闘中です。