暮らすようにフランス滞在してみたいなら、マルシェへ行こう!

Bonjour!,c’est pompon!

フランスのガイドブックを見ていると、時折色とりどりの野菜の並んだマルシェの写真が現れます。

マルシェという言葉はもう日本でも定着していますが、市場という意味ですね。フランスでは街のあちこちで見かけることができるこのマルシェ。フランスで暮らすように過ごしてみたいなら、ぜひ足を運んで欲しいのです。

短い滞在でも、フランスがグッと好きになるはずですよ。それでは今回はフランスのマルシェについてご紹介していきましょう。

マルシェはいつどこにあるの?

マルシェには、常設のものと出店曜日が決まっているものがあります。常設のものは屋内が多いですが、曜日限定のマルシェは、早朝から手早く組み立てられるテントの下で広げられます。

常設以外はマルシェごとに曜日が異なり、週に1〜2回出店しているところが多いでしょう。平日に一回、週末に一回、などです。フランス全土に数多くあるマルシェ、パリだけでも約100あると言われていますから、短い滞在期間でもきっとマルシェには出会えるはずですよ。

暮らすようにフランス滞在してみたいなら、マルシェへ行こう!

マルシェで売られているものとは?

マルシェには、フランス人の食卓に並ぶたくさんのものが売られています。どのマルシェにもほぼ必ずあるのはこのようなものです。

野菜や果物

まず目につくのは、所狭しに並べられた色とりどりの野菜と果物たち。今が旬のものが山盛りになっています。

新鮮さはもちろんですが、種類の多さもスーパーとは比べ物になりません。珍しい種類や、季節限定のものなどに出会えるのがマルシェです。

上からぶら下がるウサギ肉、大量の丸焼き用に縛られたとり肉、牛肉豚肉に巨大なハム、ソーセージなどの加工品…。見ていると、やはりフランスは肉食の国だ!と感じます。

好みの薄さや大きさに切り分けてくれるのも助かりますね。

魚介

フランスは肉食が多いといえども、魚介を取り扱うお店もいくつも出店しています。スーパーで見る魚よりも目が淀んでおらず、新鮮なことがわかります。

海辺の町などではさらに水揚げしたてのピチピチのお魚が並んでいます。たっぷりの魚介を入れた自家製パエリヤを売っているお店もありますよ。

チーズ・乳製品

そしてフランスの食卓に欠かせないのはチーズ。日本ではあまり見かけない珍しいチーズも、マルシェならたくさん。どんなものか尋ねながら今日のチーズを選ぶのもいいですね。

ヨーグルトやクリーム類を一緒に売っていることがほとんどです。味に深みのある上質なヨーグルトやクリームでプチ贅沢はどうでしょう。

ハチミツやジャム

フランス人は朝食に甘いものを食べるせいもあってか、ジャムやハチミツが大好き。珍しい味のジャムや、ほのかにいろんな花の香りがするハチミツなどがたくさんです。小瓶のものもあるので、お土産にもおすすめです。

マルシェからの帰り道で見るカップルは、よく花を抱えています。家に花や緑があると部屋が明るくなって気持ちがいいですよね。ホテル滞在であっても、可愛らしい空き瓶に花を生けてみるのも素敵です。

鉢植えもブーケもありますし、1本からでも買えます。

買ってみよう

見ているだけでもワクワクしてくるマルシェですが、ピンとくるお店やものを見つけたら、勇気を出して買ってみましょう。

マルシェのものは1個から買えますから、リンゴ1個、トマト1個、フランボワーズ1パック…欲しいものを必要なだけ買ってください。

人気のお店は長い列ができていますから、列に並んで周りの様子を見てみましょう。

マルシェによって、自分でいるものを袋に入れてお店の人に渡す場合と、お店の人に言うと選んで袋に入れてくれる場合があります。

自分で選ぶのなら簡単そうですが、お店の人に言わなければならないのは言葉に慣れないとちょっとドキドキですよね。

でも、心配しなくても大丈夫です。まずは目を見て笑顔で「Bonjour!」。指差しで欲しいものは伝わりますし、数は指で示して、「このくらい」と言いたい時は手で量を示して「comme ça コムサ」と言えばわかってくれます。最後に「s’il vous plaît シルヴプレ」と言い、お金を払って「Merci au revoir メルシーオルヴァー!」と言ってミッション完了です。

現金だけでカードが使えない店もよくあるので、マルシェに行く時はある程度の現金を持っておくと安心でしょう。

また、紙袋に入ったまま渡されることなどもあるので、エコバッグなどを持っておくと便利です。

暮らすようにフランス滞在してみたいなら、マルシェへ行こう!

マルシェの楽しみ

フランス人はもちろんスーパーでも買い物をしますが、なぜマルシェで買うのでしょうか。もちろん鮮度や品揃えが違うことは先ほどお話しましたが、そのほかにも理由があります。

マルシェの店々を眺めていると、隣の八百屋は空いているのに、ある店には長蛇の列、と言うことがあります。なぜこんなに並んでまでこのお店で買うのでしょうか。

それは、彼らには馴染みの店があるようです。ずっと昔からこのマルシェに通い、いくつもの店で買って試してみて、その中からお気に入りを決めるのです。

割と保守的なところのあるフランス人たちは、一度決めるとなかなか他のお店では買いません。毎週通ってお店の人と顔なじみになり、今日のおすすめや美味しい食べ方を教えてもらったり世間話をしたり。いつのまにか敬語も消えて友達のようになっていきます。

この、「知っている人から買う」感覚が、フランス人にはとても大切。並んでいる棚から一人で無言のまま手に取り自動のレジで支払う、これはスピーディーで便利ですが、それと真反対のこの「人と人のコミュニケーション」をとても大切にしているのです。

旅行の短い間ではそこまで仲良くなるのは難しいですが、なるべく笑顔でコミュニケーションをとってみましょう。相手も人間ですから、嬉しそうに買って行くお客さんを見てきっと嬉しくなるでしょう。

「おまけしとくね!」「お嬢さん良い1日を!」こんな一言で、ちょっとした幸せを感じられる場所。ぜひあなたもマルシェの朝を体験してみてくださいね。

それではみなさん、Bonne journée!

ライター名 pompon

・渡航した年 2005年
・お住いの国 フランス
・プロフィール パリに音楽留学したのち、フリーランスとして活動、そして結婚。フランス人の夫と娘、そして猫と一緒にフランス西部の都市に暮らしています。在仏12年になりました。フランスのバカンスシステムを支持する一方で日本の温泉も捨てられないという、日仏いずれをも愛する30代です。