【スペイン移住】金銭感覚は日本人とどう違うの?

¡Hola a todos! Soy Sakineco.
Hola a tothom! Sòc Sakineco.

スペインというと陽気な国で、スペイン人は皆おおらかでお金の使い方も太っ腹といったイメージがあったりしますが、実際には、スペインは地方ごとに人の気質が異なっていて、お金に対する考え方やお金の使い方も違うと言われています。スペイン全体で見ると、あまりケチケチすることなくお金があればパーっと使ってしまう人が多いと思います。一方、私が住んでいたバルセロナのあるカタルーニャ州は人が「ケチ」なことで有名でした。

あるときに使う!がスペイン流

日本人はコツコツとお金を貯金しますが、スペインの人はせっせと貯金をする人が少ないと思います。(もちろん、中には貯金が趣味!という人もいると思いますが。)お金はあるときに使う、お金はあれば使うという人が多い印象です。

スペインは景気が悪く、失業率も高いですが、給料日後や週末ともなればショッピングモールは人で溢れます。そして特に、食事にはお金をかける人が多いように思います。週末のランチは家族揃って美味しいものを食べたい!と考える人が多いようです。

そして高い買い物をするときも、お金を貯めてから買うのではなく、ローンを組んで欲しいものは買っちゃうと言う人が多いです。

【スペイン移住】金銭感覚は日本人とどう違うの?

「いざという時」という考え方が無い

スペイン人が貯金をしない大きな理由の一つは、日本人のような「いざという時のための貯金」という考え方が無いからだと思います。スペインは失業保険が非常に手厚く、職を失ってから最長で2年間元の給与の8割くらいがもらえるのです。

それから日本は医療が3割負担なので、もし病気や怪我をしたらとか、妊娠出産のためにと貯金をしますが、スペインは基本医療費は全部無料なので、医療費の心配がありません。さらに日本のように地震や台風などの災害も少ないので、「いざという時」という概念がそもそも無いのです。

「ケチ」で有名なカタルーニャ人

大雑把にスペインで一括りにすると、お金はあるときに使い貯金はしないのですが、スペインの中でカタルーニャ地方の人は「ケチ」なことで有名です。当のカタルーニャ人は「ケチ」と言われるととても怒ります。「自分たちはお金の使い方を知っているだけだ!他の地域のスペイン人のようにお金を無駄には使わないんだ!」と言うのがカタルーニャ人の主張です。

それでカタルーニャ人はケチなのか?と言うことですが、私の主観では確かにドケチな人が多いです。皆が皆そうと言うわけでは無いですが、大雑把な割り勘が嫌いで細かく一人分を計算したり、どんなことがあっても絶対人に奢らなかったり、人への贈り物にとんでもなく安いものを選んだり、そんなカタルーニャ人に出会ったことがあります。他の地域のスペイン人は気さくに奢ってくれたり、細かい割り勘はせず適当だったり、贈り物には良いものをと考える人がほとんどの中で、カタルーニャ人のドケチは際立っていました。

でもカタルーニャ人たちの主張にも一理あって、カタルーニャはスペインの中でも経済活動が盛んで豊かな地域です。カタルーニャ人の中には、自分たちが勤勉に働きお金を稼ぎ、国に多く税金を払い、地方でその税金が無駄遣いされている!と感じている人がいることも確かです。

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「節約」はあまり気にしない

日本人の私からするとスペイン人は後先考えずにお金を使ってしまったり、無駄なものにお金を払っている人が多いと思います。「節約術」とか「エコ料理」とか、日本では話題になりますがスペインでは話題になりません。余った食事を二日目三日目にリメイクして食べるなんて、スペインではほとんどしないので、余った料理は捨ててしまいます

逆にスペイン人には「節約料理」とか「余り物で一品」なんて言う日本の主婦なら当たり前にしている料理法や、「お得に購入する方法を調べる」とか「ポイントを貯める」と言った日本人が普通に行なっている行為すら、「ケチ」な行動に見えてしまうこともあるようです。

【スペイン移住】金銭感覚は日本人とどう違うの?

お金の贈り物はしない

日本では、結婚祝い・出産祝い・入学祝い・引越し祝いなど、お祝い事にはお金を贈ります。お正月にお年玉をもらったり、夏休みにおじいちゃんおばあちゃんのお家に遊びに行けば夏のお小遣いをもらえたり、お金をやりとりする文化がありますが、スペインにはありません。

例えば親戚や友人の結婚式に招待されたときには、お祝い金を持っていくようなことはしません。お金を贈るのではなく、プレゼントとして物を購入し渡します。プレゼント文化のあるスペインでは、お店で「これはプレゼント用です」と言って購入すると、必ず品物交換用のチケットをつけてくれます。このチケットと一緒にプレゼントを渡せば、プレゼントをもらった相手がプレゼントを気にいらなかった時、お店に行ってサイズや色、あるいは値段の同じくらいのものと交換できるようになっています。

【スペイン移住】金銭感覚は日本人とどう違うの?

夫婦間のおこづかい制はありえない

日本では夫婦のどちらかが、特に奥さんが家計の管理をしていると言う家庭が多いと思います。旦那さんの給料を全て奥さんが管理し、旦那さんが月々決まった額のお小遣いをもらうと言うおこづかい制をとっている家庭がありますが、スペインではこのシステムはありえません。

共働きが多いことも理由かもしれませんが、多くの日本の男性は稼いだお金を全部奥さんに渡し、お小遣いをもらっているという話をすると、とんでもなく驚かれます。

【スペイン移住】金銭感覚は日本人とどう違うの?

子供は歯が抜けるとネズミからお金がもらえる

子供の歯が抜けたとき、日本では下の歯は屋根の上に、上の歯は床の下に投げるという風習がありますよね。スペインでは、夜寝るとき枕の下に抜けた歯を入れて眠ると、寝ている間にRatoncito Peréz(ラトンシート・ペレス=ネズミのペレス)がやってきて抜けた歯と交換にコインを置いて行ってくれます。もちろん実際には、ネズミのペレスではなく子供の親が寝ている間に歯とコインを交換するわけですが、翌朝子供が目をさますと、ネズミからコインのプレゼントが枕元にあるというわけです。

フランス人の友人が、フランスも歯が抜けるとネズミがやって来ると言っていました。フランスや、南米の国ではネズミがやってきて、お金をプレゼントする習慣があるようです。ちなみに、今住んでいるイギリスでは、「歯の妖精」がやってきて、夜寝ている間に抜けた歯とコインを交換していくそうです。

¡Qué tengan un buen día!
Us desitgem un bon dia!

ライター名 さきねこ

渡航した年:2005年 スペインへ(9年間在住)、2014年 イギリスへ(現在3年目)
公用語:スペインの公用語はスペイン語ですが、住んでいたバルセロナのあるカタルーニャ州では、第一公用語はカタルーニャ語です。今住んでいるイギリスでは英語です。
プロフィール:二人の子供の子育てをしている30代の主婦です。夫の国スペイン、バルセロナに9年住み、様々なカルチャーショックを受けて暮らしてきました。現在はイギリスの田舎に移住し、英語・スペイン語・日本語を使って生活しています。子供たちをマルチリンガルに育てるべく、奮闘中です。