失業率がむちゃくちゃ高い、スペインでの就職事情について

¡Hola a todos! Soy Sakineco.
Hola a tothom! Sòc Sakineco.

スペインで日本人が職を見つけて働く事はなかなか大変なことです。仕事に対する考え方や働き方が違う、ということもありますが、今失業率の高いスペインでは、多くのスペイン人も必死に仕事を探しています。外国人(日本人)がスペイン人と肩を並べ、就職口を競うのは簡単なことではありません。

失業率が高く、特に若者の就職は厳しい

スペインは現在、失業率がとても高いです。調べてみましたが2015年はスペイン全体の失業率が22%、2016年12月の時点では少し下がり、18.4%でした。そしてこの数字よりもっと深刻な状況を表す数字は、若者の失業率です。25歳以下の若者の失業率はほぼ50%。つまり、若者の2人に1人は仕事がないという恐ろしい状況なのです。

私が個人的に受けた感触では、渡西した2005年頃は、1999年のユーロ通貨導入後のユーロ景気にまだまだ湧いている頃でした。この記事を書いている現在、1ユーロ123円ほどですが、2007年・2008年頃には1ユーロ170円近くなんていう時期もありました。新しい建物がバンバン建ち、売り出される家も高額でした。

このままでは日本と同じように、いつかバブルが弾けるのでは・・・と心配していた矢先の2009年頃から経済は悪化。2010年にギリシャの財政赤字隠蔽が発覚したギリシャ危機がありましたが、あの頃から急速に経済が悪化したような印象があります。

スペインはもともとお給料の高い国ではありません。大卒でオフィスワークの仕事に就職できたとしても、月に1,000ユーロもらえれば高給取りの部類に入ります。

その他の人は月700〜800ユーロ程度の給料をもらい、バルセロナ市内に住んでいれば家賃は安くても500〜600ユーロはかかりますから、たとえ仕事があっても、独り立ちして生活するのはかなり難しいです。こういう事情があってか、30代くらいになっても両親と同居する若者の独身者が多く、夫婦共働きの家庭もとても多いです。

失業率がむちゃくちゃ高い、スペインでの就職事情について

スペインはコネ社会

スペインはコネ社会だ、というのは現地に住んでいるとよく聞く話です。就職先も、家族や親戚が世話をしてくれるような「コネ」があれば、わりと簡単に見つかることがあるようです。

私もスペインで少し仕事をしましたが、知人の知人から紹介してもらった和食レストランでアルバイトをしたり、夫の家族の職場関係の現場で日本語の通訳が必要だという事で紹介してもらったりと、コネつながりで仕事を見つけた経験があります。「コネ」というか、「人との繋がり」を重視するスペイン社会ならではなのかなと思います。

楽しく暮らすために働く

スペインを始め、イタリア、ギリシャなど南ヨーロッパは働かない、怠け者、なんてイメージがありますよね。仕事一本、仕事が全て!のような日本的な考え方は彼らには受け入れられません。

仕事をするのはお金を稼ぐため、お金を稼ぐのは楽しい人生を送るためです。生活をないがしろにしてまで働くという考え方はありません。スペイン人はプライベートの時間や家族との時間をとても大切にします

日本のような「職場の付き合い」もほとんどありません。年に1、2回、職場のスタッフが集まって開かれる食事会などはありますが、毎週のように上司に付き合って飲み会とか、週末も接待関係でゴルフ、なんていうプライベート時間の仕事の付き合いはありません。

働くために生きるのではなく、生きるために働くのです。

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バケーションはマルッと1ヶ月!

スペインを始め、ヨーロッパの国々の有給休暇は30日から40日ほどあります。日本は有休があっても消化しきれない!なんていうことが当たり前になっている感じがありますが、ヨーロッパ諸国、少なくともスペインでは、ほとんどの人が有給はきっちり全て消化します。

そして、一週間、二週間、あるいは1ヶ月マルっと有給をまとめて取り、バカンスに出かけます。

私が三週間から1ヶ月ほど日本に里帰りするとき、夫も一緒に里帰りしますが、「旦那さんそんなに仕事休んで大丈夫なの!?」と日本人には驚かれます。「旦那さん仕事辞めたの?」と聞かれたこともあります。1ヶ月も休みを取ったら、日本では職場に戻れなくなりそうですよね。スペインでは1ヶ月くらいバケーションをとってお休みする事は珍しいことではありません

ちなみに、病欠をしても有給休暇は消化されません。熱が出て休むような場合、3日以下なら特に何のお咎めもなし、手続きも必要ありません。三日以上休まなければならないような場合には、医師からの診断書を貰えば給料の出る病欠扱いとなります。

具合が悪い時は無理をせず働かないのがスペイン式。体調が悪い人が職場にいれば、「早く家に帰りなさい」と言われます。フラフラになっても働くなんて、ワーカホリックだとスペイン人は考えるでしょう。

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意外とある、知名度の高いスペイン企業

日本人にも知られているスペイン企業、スペインメーカーというと、例えばアパレルのZARA(日本だと「ザラ」と呼ばれていますが、スペイン式に読むと「サラ」です。)などは最近のファストファッションブームの先駆者のような企業で、とても有名ですよね。

高級ブランドのLOEWE(ロエベ)、Balenciaga(バレンシアガ)、クマのモチーフが可愛いカタルーニャ発のブランドTOUS(トゥス)などもご存知の方は多いのではないでしょうか。

ジュースのDon Simon(ドン・シモン)、ワインのTorres(トーレス)、カバ(カタルーニャ産スパークリングワイン)のFrexinetフレシネなどがあります。

¡Qué tengan un buen día!
Us desitgem un bon dia!

ライター名 さきねこ

渡航した年:2005年 スペインへ(9年間在住)、2014年 イギリスへ(現在3年目)
公用語:スペインの公用語はスペイン語ですが、住んでいたバルセロナのあるカタルーニャ州では、第一公用語はカタルーニャ語です。今住んでいるイギリスでは英語です。
プロフィール:二人の子供の子育てをしている30代の主婦です。夫の国スペイン、バルセロナに9年住み、様々なカルチャーショックを受けて暮らしてきました。現在はイギリスの田舎に移住し、英語・スペイン語・日本語を使って生活しています。子供たちをマルチリンガルに育てるべく、奮闘中です。