¡Hola a todos! Soy Sakineco.
Hola a tothom! Sòc Sakineco.
スペインで二人の子供を妊娠し、出産をしました。どこの国でも、妊娠と出産は人生の一大事で女性にとって大仕事です。文化や言葉の違う異国での妊娠出産は、苦労することもありましたが面白い発見もたくさんありました。
妊娠したらまず気をつけることは、生ハムとカフェイン
妊娠して検診に通うようになると、日本では厳しく体重管理をするように言われると思います。スペインでは、体重のことを厳しく言われることはあまりありませんでした。妊娠中に20キロ30キロ太ってしまう妊婦さんが結構いるようです。
もう9年ほど前のことになりますが、最初の妊婦検診で、産婦人科の先生からまず言われたことは、「妊娠中は生ハムやミディアムレアのステーキを食べないこと、コーヒーを飲み過ぎないこと、お酒は乾杯の一杯くらいに控えてね」ということでした。さすが、生ハムとコーヒーとワインの国だなぁと思ったことを覚えています。生ハムやミディアムレアのステーキなどの生肉の中には、トキソプラズマという寄生虫がいることがあり、妊娠中の感染を防ぐために食べない方が良いのだそうです。
子供の名前はお腹にいるうちに決める、家族と同じ名前を付けることも
病院や市の診療所などでプレママクラスが開催されており、私も妊娠7、8ヶ月の頃参加しました。出産までに準備しておくことや心構えを助産師さんが教えてくれ、マタニティー体操をしたり、生まれた後の赤ちゃんのお世話について学んだりしました。
プレママクラスに参加していた妊婦さん同士で自己紹介をするのですが、みんな「私の名前は○○です。お腹の子は○○です。」と、お腹の子の名前まで紹介していました。日本だと、妊娠中にいくつか名前の候補を決めておくことはありますが、はっきり名前を決めるのは実際に赤ちゃんが生まれて、赤ちゃんの顔を見てからが多いと思います。しかしスペインでは、お腹にいるうちに名前を決めてしまう人が圧倒的に多いようです。生まれた時に名前がないのはかわいそう、という考え方なんだとか。
また、スペインでは家族の中で同じ名前を使うことがあります。例えば私のスペイン人の夫を例に出すと、彼の名前は彼のお父さんと同じで、さらにお祖父さんとも同じです。周りでも、生まれる子に家族や親戚の名前を付ける人が多くいて、親戚で集まると同じ名前の人ばかり!なんていうファミリーもあります。
お産は無痛分娩、入院は通常2泊3日
お産は無痛分娩が一般的で、スペイン人の女性の友達に、日本では陣痛で産むのが一般的だと話したらとても驚かれました。日本のような先進国で技術が非常に進んでいる国が、なぜ麻酔を打って無痛分娩しないのか、信じられないと言われました。
日本では産後の入院は5泊から1週間くらいだと思うのですが、スペインでは特に問題がなければ2泊3日なのであっという間です。日本の病院のように新生児室がある病院は少なく、産後から母子同室です。
出産直後、もう全ての体力と気力を使い果たして疲れ切っているところに運ばれてきた食事は、1度目の私立病院でも2度目の公立病院でも、チョリソーやベーコンが入ったレンズ豆の煮込みと、ニンニクの香りがするチキンだったのが非常に印象に残っています。スペインでは、レンズ豆は栄養たっぷりで、特に鉄分が多いので貧血になりやすい産後にぴったりの食事です。そしてスタミナ食といえばチキンという感じで、元気回復にプロテイン!とレンズ豆とチキンの食事が出されるようです。
生まれたばかりの赤ちゃんにピアス
女の子は生まれてすぐにピアスを開けます。病院から渡された「出産の時の入院グッズ」一覧に、女の子ならファーストピアスと書かれていました。娘は生後3日目の退院直前に、看護師さんがピアスを開けてくれました。日本だと考えられませんよね。
妊娠出産は基本無料、出産一時金は現在なし
妊婦健診、出産、産後の入院には特にお金がかかりません。
スペインでは、公立病院で受ける医療サービスは無料となっています。個人でプライベートの保険に加入している人は、私立病院も利用できます。私立と公立で病院に大きな差があるかというと、妊婦健診や出産に関してはそれほど大きな差はないかなというのが私の感想です。
私は一人目は私立病院で、二人目は公立病院で産みましたが、どちらも信頼できる先生がいて、出産も滞りなく、産後の入院もわりと快適でした。
私が第一子を出産したのが2008年のことなのですが、当時のスペインは景気が良く、政府がいわゆるバラマキ政治をしていた頃で、出産すると子供一人につき2500ユーロの出産一時金が国から出ていました。私の住んでいたカタルーニャ州ではそれとは別に、1年に600ユーロが3年間州政府から支給されたので、かなり助かりました。が、その後リーマンショックがあり世界的な不景気に陥り、スペインも住宅バブルが弾け経済が悪化しました。第二子を産んだ2012年には、国からの出産一時金も、州からの助成金もゼロになっていたので、一人目と二人目で経済的な違いを強く感じることになりました。
出生率は低い
ヨーロッパというと、子供に優しく福祉が充実していて子沢山の国が多いイメージがあります。実際、スペインのお隣の国フランスは、ヨーロッパの中でも出生率が高く、平均で一人の女性は1.99人の子供を産みます。イギリスの出生率は1.83、スウェーデンが1.89、オランダが1.68です。(2014年の出生率)
ところがスペインは、出生率は1.3程度ととても低いのです。日本の出生率が2015年には1.45だったので、少子化が騒がれる日本と比べてもさらに子供が少ないということになります。
¡Qué tengan un buen día!
Us desitgem un bon dia!
ライター名 さきねこ
渡航した年:2005年 スペインへ(9年間在住)、2014年 イギリスへ(現在3年目)
公用語:スペインの公用語はスペイン語ですが、住んでいたバルセロナのあるカタルーニャ州では、第一公用語はカタルーニャ語です。今住んでいるイギリスでは英語です。
プロフィール:二人の子供の子育てをしている30代の主婦です。夫の国スペイン、バルセロナに9年住み、様々なカルチャーショックを受けて暮らしてきました。現在はイギリスの田舎に移住し、英語・スペイン語・日本語を使って生活しています。子供たちをマルチリンガルに育てるべく、奮闘中です。