Hello y’all! I’m Aqua.
ブータンと言えば「幸せの国」ですよね。そこに住んでいる人たちは、すごく穏やかで幸せそうなイメージではないでしょうか?
実際ブータン人はとても友好的で、穏やかで世話好きです。そんなブータン人ですので友だちを作るのは全く難しくありません。
特に日本人に対して、日本という国に対しては、ありがたいことに尊敬とも言えるほど高い好感と関心を持っていますので、一人でい続ける方が難しいくらいです。
今回は、そんなブータン人との交流エピソードをご紹介します。
図々しくなると輪が広がる
ブータンではまず、「一人暮らし」という形態がほとんどありません。例え転勤や進学などで初めての土地に行かなくてはならなくなっても、大抵そこに住んでいる誰か、親類や知人、知人の親類などのおうちで暮らすことが多いです。(首都圏は例外も多いですが)
そんな国ですので、日本人が一人で住んでいると知れたら、男だろうと女だろうと絶対にほっとかれません。「きっと寂しいに違いない」と思うようです。
それは大家かもしれませんし、同僚かもしれません。よく買い物に行く商店のおばちゃんかもしれないし、ある日食堂で出会った見知らぬおっちゃんかもしれません。とにかく「うちへご飯食べに来なさい」と言われます(笑)
私はそんな時は身構えず、ご厚意に甘えて本当にお邪魔しちゃっていました。
さすがに全くの初対面の人のお宅へついて行くのは安全面で気が引けますが、私の「見知らぬおっちゃん」のケースは、おっちゃんと出会ったのがいつも行く食堂で、その食堂のオーナーの知り合いだったのとちゃんとした職についてる方だったので、もう友だちの友だちは友だち、という感覚でした。
幸いブータンはそんなに治安は悪くないので、必要以上に心配することはありません。
そうやってお呼ばれしていると、実は共通の知り合いがいることがわかったり、今度ブータン国内のどこそこへ旅行に行くと言えば、知り合いがいるから電話してやると言ってくれたり、どんどんネットワークが繋がります。
小さいコミュニティだとプライバシーが無いなど大変なこともありえますが、こういう現象はとても興味深かったです。
やっぱり現地語は大切
距離を縮める一番の方法は会話だと思います。特にブータンの現地語である「ゾンカ」を少しでも覚えて使うととても喜んでくれます。
私自身、この初めて触れる言語にはとても興味があったので、簡単な文が作れるくらいには頑張りました。ちゃんと勉強しなかったので難しい会話はできませんし、正しい発音とかもわかりません。それでも例えば「お腹空いたってゾンカで何て言うの?」と同僚に聞いたりしていました。
またブータン人はネパール語も堪能であることが多いので、ついでにネパール語も聞いていました。使うとまた喜んで新しい表現を教えてくれるので、おもしろかったです。
私は学校に勤務していましたが、生徒の方も日本語に興味を持ってくれる子が何人かいました。彼らに日本語を教えたり、ゾンカを教わったりしていると自然と仲良くなりましたし、授業もゾンカを少し混ぜたほうがウケが良かったです。
ブータン人同士の井戸端会議は基本ゾンカやネパール語でやり取りされます。なのでゾンカが少しでも分かった方が、会話に混ざれるので友だちになりやすいです。英語しかわからなかったら英語の会話(会議など)しか参加できず、職場外での会話があまりできなくなってしまいます。
現地語での会話は友だちづくりのきっかけに最適ですし、「コミュニティの一員になった」と実感できる瞬間でもあります。
好奇心が距離を縮める
何にでも好奇心があった方がいいというのも、ブータンに行って痛感しました。言葉があまり分からない時、人同士の橋渡しになるのは共通の趣味や共有できる文化などです。
ブータン人は踊ることが好きで、行事とあれば踊ります。伝統的な踊りも踊りますし、若者はK-pop風のダンスも大好き。
祝日やベビーシャワーで集まった時も輪になって踊りが始まります。事前に打ち合わせなくても、みんな振付を知っているからすぐに踊りの輪は広がります。日本に老若男女が揃って踊れるものってあるでしょうか?私は盆踊りも分かりません(汗)
それでも私は踊ることが好きなので、こういう行事の度に顔を出して喜々として写真やビデオを撮っていました。見よう見まねで踊りの輪にも入れてもらいました。
そのせいなのかわかりませんが、ある祝日の際、踊りの出し物をする生徒のグループに声をかけられて、一緒に踊ろうと誘われました。このグループに呼んでくれた生徒とはこれをきっかけによく話すようになりました。やっぱり好きなものが人を繋げることって多いんだなと思います。
ちなみにブータンではクラブ(ディスコ?)のことを「パーティー」といいます(笑)ブータン人の友人からそういうお誘いもありましたが、残念ながら行けずじまいでした。田舎だったのでちょっと遠く、しかも毎日はやってないのです(笑)
実のところ、他に目立った特技の無い私は、どちらかと言うと歯がゆい思いをすることの方が多かったです。
例えばブータン人は歌や音楽も好きです。高価な楽器はありませんが、ギターはブータンでも持っている人が結構いるので、もし私がギターを弾けたらかなりポイントが高かったと思います。歌はゾンカを覚えたり英語を覚えたりするのには役に立ったと思いますが、音痴なので歌仲間ができるほどではありませんでしたね…。
またバスケットボールやサッカーなどのスポーツも人気です。大人も子供も毎日のように何かスポーツをしていました。運動の得意な日本人はみんなブータン人のスポーツ仲間を作っていましたね。運動音痴な私は混ざれなかったので残念です。
芸は身を助けるとか歌は国境を超えると言いますが、これは本当だと思います。何か面白い趣味や特技があるとか、少なくともブータンでそういうものに出会っていれば、もっと深い交流ができたのだろうなと思います。
外に出ると自然と出会う
私の住んでいた地域はいつも寒くて天気が悪く、毎日霧がかかったり雨が降ったりする地域でした。ヒルも出るので、出不精の私はなかなか外出することもありませんでしたが、出かける度に新しい出会いがありました。まさに「犬も歩けば棒に当たる」という出来事がたくさんありました。
とにかく首都と違って地方には外国人がほとんどいませんので、日本人が住んでいればけっこう目立ちます。商店も小さくいつも立ち寄る店は決まってくるので、自然に人と出会うのです。
そうした小さな出会いを大切にしていたら意外な繋がりに発展することも多く、少しずつ輪が広がっていくのはブータンならではの不思議な魅力だと思います。
それでは、Have a great day!
ライター名 Aqua
渡航した年 2013年〜2015年
お住いの国 ブータン
公用語 英語、ゾンカ
プロフィール 国際ボランティアに参加し、ブータンの地方高校へITインストラクターとして赴任。2年の任期満了後、帰国。現在はアメリカに留学し、舞台技術を勉強中。バレエなどのダンスが趣味。