失業率が高い!イタリアで仕事を探すのは一筋縄ではいきません

Buon giorno a tutti! Sono Miko!

もしイタリアですぐに仕事が見つかったら、それは奇跡に近いことだと思います。私もイタリアでの仕事探しには大変苦労をしました。現在のイタリア就業状況を私の経験を交えてお伝えしたいと思います。

二人に一人が失業者

イタリアで仕事に就く難しさはここ数年の話ではありません。最近では失業率が50%近くにまで達し、ヨーロッパの国の中でもトップ3に入るほど雇用が悪化しています。

私がイタリアに移住した頃、夫に「日本人の知り合いを訪ねて仕事を紹介してもらえないのか?」とよく聞かれました。イタリアはコネ社会がまだ根強く残っている国で、知り合いや友人の紹介で仕事に就くチャンスは無きにしも非ずなのです。

甘い考えなど無い

イタリアに移住する前は、観光国でもあるイタリアなら何かしら旅行ガイドなどの仕事にありつけるだろうと考えていましたが、それはとても安直な考えだと思い知らされました。すでにガイドとしての日本人枠は溢れており、生計を立ててこの仕事をしている人はその中の一割にも満たないのです。日本人だからどうにかなるだろうという考えは、移住後すぐにかき消されました。

失業率が高い!イタリアで仕事を探すのは一筋縄ではいきません

色々な仕事の探し方

仕事探しは町の職業安定所に登録することから始まりました。イタリアにも沢山そういったエージェンシーがあり、そこで希望の職種とマッチングすると連絡をくれ、相手側の会社と面接の機会を与えてくれるというものです。

日本人女性でこういう所に登録すると決まって呼んでくれるのが高級イタリアンブティックの店員の仕事です。ミラノやローマ、フィレンツェなど、観光都市でイタリア有名ブランドの店で販売員として雇われるケースが多く、この場合、特に前職の経験など問われないので、イタリアで初めての仕事で「店員をした」という日本人は結構多いと思います。

この場合必要な特技や資格として英会話が出来ることが望ましいです。もちろんイタリア語を話せることにこしたことはありませんが、お客様は世界中から来られるため、イタリア語より英語が出来る方を重視されるのです。

求人サイトは情報量豊か

職業安定所の他に見つける手段はインターネットの求人サイトです。日本の求人サイトのように自分で探したい情報を登録しておけば、メールで毎日のように求人情報が届きます。

履歴書手渡し作戦

また直接働きたい店舗に履歴書を持って行くという方法もあります。時々買い物に行くと店員に履歴書を渡している若者をよく見かけることがあります。実際、私の友人もこの方法で店員の仕事に就くことができました。

イタリアの就業時間

週末は休みを好むイタリア人にとって、土曜日も日曜日も仕事というシフトは受け入れ難いようです。

ここ10年くらいでだいぶ変わりましたが、移住したての頃、スーパーがお昼に閉まるとは思ってもみませんでした。開店時間朝8時半~お昼12時半まで。午後は3時半~夜7時まで。お昼は3時間近くどのお店も昼休憩と言って店を閉めていたのです。

日曜日はどのお店も「休み」それが当然でした。なぜなら労働者が休みを取ることは当然のことだから。と、24時間お店が開いているのが普通だった私にとっては、どちらが正当であるのか、自分の考えが麻痺していたことに気付かされたことがあります。

一般的なオフィス勤めだと就業時間は朝8時半頃~夕方6時頃までです。

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プロ意識

イタリアで個人のお店に入ると驚くことがあります。それは店員の知識です。例えば自分がどのような物を探しているのか好みを伝えると、まさにそれにぴったりのものを出して来てくれたり、それ以上のものを探してくれます。

また質問をしてもその場で「私は分からないので上司に聞きます。」といった醜態はさらしません。必ず尋ねた店員がきちんと対応をしてくれるのです。その店員の知識と経験の豊富さはいつも堂々としていて、まさにプロフェッショナルな印象を受けるのです。そこで仕事をするということはどういうことか、意識の違いに感心させられます。

失業率が高い!イタリアで仕事を探すのは一筋縄ではいきません

仕事と家族の両立

イタリアでオフィス勤めをした経験のある私ですが、イタリア人の働き方はオンオフの切り替えが早いということです。日本で働いていた時、残業が当然だったので本来の就業時間に仕事を終えなくても「どうせ残業だから」とだらだらと仕事をしていたように思います。

しかし休みをきっちり取るのが当然なイタリア人は、仕事の時間は集中して取り組み、コーヒータイムも昼休憩も取る代わりに、終業時間ぴったりにその日の分をきっちり終え、定時にオフィスを出ます。それは見ていてとても気持ちが良く、仕事も家族も大切にする働き方はとても印象が良いものです。

失業率が高い!イタリアで仕事を探すのは一筋縄ではいきません

高学歴は仕事に就けない

最初に書きましたが、イタリアは非常に仕事が見つけにくい国です。特に若者の就業率は年々最低ラインを更新し続けています。

仕事に就けない若者が大学院まで行って博士号を取っても、それがかえって企業側からすれば給料の面で負担になるので敬遠されてしまうのです。回りを見渡すと本当に若い人が働いているのを見るのは稀です。中高年の方達が現役で仕事を続けられているので、若い方のポストが無いというのが現状です。

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夢をイタリアで掴め

しかしながらイタリアは魅力的で素晴らしい高級ブランドがいくつもある国です。日本で専門職を身に付け、それを糧にイタリアの技術やデザイン力を磨こうとやってくる方達もたくさんいます。

もしこの記事を読まれている方でご自身に技術や特技がある場合は、イタリアでもきっとその夢を延ばすチャンスはあるでしょう!

Bocca al lupo!

ライター名 Miko

渡航した年 2006年
お住いの国 イタリア
公用語 イタリア語
プロフィール イタリアに嫁いで10年目。家族と一緒にイタリア各地を巡るのが何よりの楽しみ。チーズ好きが高じてチーズテイスターの資格も取りました。