イタリアに移住してみて分かった、イタリア人の不思議で、ちょっと変なところ。

Buongiorno a tutti! Sono Miko. Come state?!

日本でも馴染み深い国イタリア。ですが、実際ここで生活をしてみると様々な違いや、おかしいと感じたことがいくつかあります。そんな私が身近に感じたイタリアの不思議?!を紹介したいと思います。

朝からおやつ?!

初めてイタリアに来て驚いたことと言えば朝食でした。朝はパンと目玉焼き。もしくはご飯に焼き魚とお味噌汁といった朝食が当たり前だった私は、ビスケットやケーキが並んだテーブルを見てとても驚きました。そこにジャムやチョコレートクリームもあって、それらをクッキーにつけて食べるのです。

飲み物は紅茶やカップッチーノ。もちろんエスプレッソも飲みますが、それらにも2〜3杯のお砂糖を入れて甘くして飲みます。

「甘くなければ朝食じゃない」「糖分を摂ると頭の回転が良くなるんだ」とイタリア人達は言います。確かに甘いものはすぐにエネルギーとして脳で消費されるので、朝の活力となる甘い朝食は理にかなっています。

また忙しい朝だから余計なことはしたくない。というのも心情。朝食を作るとどうしても調理中の匂いが服について、せっかく着替えた服が台無しということもあります。クッキーとケーキならさっと出せて手間いらず。それもしないイタリア人は、近くのバールで出勤前にカッフェとブリオッシュ(甘いクリームが入ったクロワッサン)を頂くのがお決まりです。

イタリアに移住してみて分かった、イタリア人の不思議で、ちょっと変なところ。

アイロン命!

ピシっと皺の伸びたシャツを着て颯爽と歩くイタリア人。まるで今クリーニング店から戻ってきたものを着ているのかと思ったら、それらは全部家庭でアイロンがけしたものでした。イタリアではアイロンがけは全ての洗濯物にします。Tシャツもジーンズもタオルも。それだけではありません。靴下に下着まで! なぜそこまでするのか気になって聞いてみると、答えは「皺が伸びてるって気持ちいいじゃない」と返されました。

アイロンも日本で売っているようなタイプもありますが、イタリアで好んで使われているのがクリーニング店で使われているような大量のスチームを出す業務用のアイロン。それであっと言う間に大量の洗濯物を片っ端からアイロンがけするのです。

学校に行く子供たちの服も皆きれいにアイロンがけされ、街行く人たちの姿もなんだか堂々としています。私もそれに習い、洗濯物にはアイロンをかける習慣が身に付きました。しかし、さすがに下着や靴下にまでアイロンはしません。

太陽と海が無ければ生きていけない

夏が近づくとイタリア人達はこぞって海に行きます。そして延々と日光の下で体を焼き続けます。毎年夏のヴァカンスシーズンが近づくと、ニュースでわざわざ皮膚科医が「あまり焼き過ぎると皮膚ガンを引き起こしますよ。」と注意を促しますが、そんなことイタリア人にはお構いなしです。

スーパーや薬局でも「日焼け用」のサンオイルやクリームが一斉に発売されます。「日焼け止め」も売ってはいるのですが、全体の一割ほど。商品の片隅に追いやられ誰も買いません。日本だとありえない状況ですが、イタリア人達は服装もタンクトップに短パン、足元はサンダルと、できるだけ肌を見せて焼く努力をするのです。

肌を小麦色にすることは見た目にも健康的に見え、格好いいというのがイタリア人の見解。そして夏に海と太陽を謳歌することこそイタリア人にとってのステイタスなのです。

観光地で日本人ツアー客を時々見かけますが、ご婦人方は皆、日傘に長袖シャツ。または二の腕まで隠れる長い手袋を見につけ、サングラスに帽子まで。暑い夏の太陽は私達日本人にとって敵ですが、それをイタリア人達はとても不思議そうに見ているのをお気付きでしたか?

イタリアに移住してみて分かった、イタリア人の不思議で、ちょっと変なところ。

風が怖い!風に気をつけろ!

少しでも風が吹くと「気をつけて!首元を隠して!」と言われます。昔、エアコンの無い車に乗っていた私は、暑くて窓を全開にしたところ、すぐに夫に「風が入るだろ!閉めろ!」と言われました。こんなに暑いのに風に顔を当てたら涼しいじゃないと思いましたが、特に汗をかいている時など体が風に当たることは病気を引き起こすと言われ、イタリアではとても注意されます

ようやくエアコンのついた車に買い替え、これで夏の運転も快適と通風口を自分の方向に当てると、すぐに夫に「風に直接当たると病気になる。」と言われ、違う方向に向けられてしまいました

イタリアではお店でもエアコンを効かせている所は少なく、できるだけ外気温と極端な温度変化が無いように気をつけています。家庭で扇風機やクーラーがあっても決して自分の方向に向けることはしないし、また外出する時は必ず首を守るスカーフを持参し、自分自身の体を風から守るようにしています。

暑い夏に日本に帰ると、私はどうしても寝る時に扇風機をつけて寝たいのですが、風が駄目な夫の為に熱帯夜でも我慢してつけないようにしています。

イタリアに移住してみて分かった、イタリア人の不思議で、ちょっと変なところ。

変だけど変じゃない

いくつか私が感じたイタリアの不思議を紹介しましたが、今ではこれらのことがとても常識として受け入れられるようになりました。

朝食は簡単に済ませられるし、皺の伸びたTシャツやジーンズを身につけるのはとても気持ちがいいものです。シミや日焼けが怖かった私も、今では太陽の下で開放的に過ごせるようになり、風が怖いイタリア人のおかげで風邪を引くことも滅多にありません。

私が感じた不思議はイタリア人にとってみると日本の不思議に繋がります。そんなお互いの二つの文化を共有し、楽しむことがとても面白い発見に繋がっているのです。これからもイタリアの不思議を見つけていきたいですね。

それではまた。
Buona giornata!!

ライター名 Miko

渡航した年 2006年
お住いの国 イタリア
公用語 イタリア語
プロフィール イタリアに嫁いで10年目。家族と一緒にイタリア各地を巡るのが何よりの楽しみ。チーズ好きが高じてチーズテイスターの資格も取りました。