ブータンでトレッキング!幻のブルーポピーとチョモラリ

Hello y’all! I’m Aqua.

ブータンに旅行する目的はなんでしょうか?ツェチュ(お祭り)を見に行く、異国情緒に触れに行く…。中には「山登り!!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?そう、ヒマラヤ山脈に鎮座するブータンは、ネパール同様トレッキングの聖地でもあります!

ブータンから出発できるトレッキングルートはいくつかあり、かかる日数も数日から数週間とバラエティに富んでいます。初級~上級者いろんな方に楽しんでいただけると思います。

今回は私が挑戦した「ダガラ・トレック」について書いてみたいと思います。

ガイドさんは子連れ!ブータン流トレッキング

ダガラは比較的簡単なルートだと思います。標高は最高で4400mほどですが、高山病に気を付けてゆっくり進めば大丈夫。

手配は先輩が懇意のブータン人にお願いしてくれたので、5日間のトレッキングで一人400ドルほどだったと記憶しています。メンバーは私を含め4人。

まず初日、出発地のゲネカという町でガイドさんと合流しました。初めまして~と挨拶する側ら、なにやら少年が一人・・・。「あぁ。ぼくの息子です」

なんとガイドさん、息子を同行させるというのです。ブータンでは職場に子供を連れてくるのは日常茶飯事とはいえ、4000m越えの山登りに子連れかよー!と、メンバー総ツッコミでした。

ブータンのトレッキングでは、荷物は馬が運んでくれます。テントや5日分の食料は全て馬任せ。ちょっとノミとか心配だったので、私や女性の先輩は荷物をビニール袋に入れて預けました(笑)

馬チームは別行動するので、水や防寒具、雨具など各自必要なものだけを持って出発です!

ブータンでトレッキング!幻のブルーポピーとチョモラリ

天気はまぁまぁ、景色は最高!

私たちの日程は7月上旬と、ちょうど雨季にあたりました。そのため天気はどんより。時折雨がパラつくこともありました。

登り道は比較的ゆるやかで、「息が切れない程度に、トボトボ進むんだよ」と先輩方に教わりながらゆっくり進行します。

お昼ご飯は見晴らしのいい小高い山腹にて。出発地のゲネカを見下ろしながらブータン食をいただきました。食事作りやテント設営は馬チームが先に到着してやっていてくれるので、私たちは文字通り進むだけ。本当に至れり尽くせりなトレッキングだなあと感じました。

シャクナゲ、アツモリソウ、ヤマハハコなど、山の植物もたくさん。と言いつつ、私は全くの無知なので後から登山好きな日本人の友人に聞いたのですが。日本の植物とは色などがちょっと違うからヒマラヤ固有種かも、というものも中にはありました。

ガイドさんは「あっちがパロだよ」とか「あの山の向こうがティンプーだよ」とか、ちゃんと説明してくれました。干渉しすぎることもなく、ペースもこちらの自由にさせてくれました。

ヤクに出会い、少年少女に出会う

2日目にはとうとう4000mを超えるポイントに到着し、記念撮影です。しかし普段2300~2500mの高地に住んでいるためか、意外と感動の薄い4人・・・(笑)富士山より高いところにいる貴重な瞬間のはずなんですけどね。

森林限界を超えたのか背の高い木々は姿を消し、広々とした野原のような場所やゴツゴツした岩山を通ります。

途中でヤクというチベットの高山に生息する牛のような動物の群れにも遭遇しました。私の住んでいた町には普通の牛しかいないので、ヤクを見たのはこれが初めてでした。

また、この高山に住んでいる少年少女たちにも遭遇しました。

近くに学校があるようにも見えないし、もちろんお店もありません。電気や電話の電波も怪しいこんなところで、普通に暮らしているブータン人もいるんだな、と驚きました。

学校が始まるともしかしたら町の寮に住むのかもしませんが、ブータンでは山奥から通学する子もおり、往復徒歩5時間のような過酷な条件のもと学校に行く子もいるので、そういう子たちなのかもしれません。

ブータンでトレッキング!幻のブルーポピーとチョモラリ

イエローポピーとセイタカダイオウ

ブータンの国花はブルーポピーです。高山でしか見られず、6月ごろまでがシーズンです。7月にチェレラというブルーポピーが見られると有名な峠に行った時には、シーズンが終わっていたためか見つかりませんでした。

このトレッキングも7月でしたので、あまり期待せず、それでもブルーポピーがないか探しながら歩いていました。

トレッキング2日目・3日目と、イエローポピーを見ることは何度かあったのですがブルーポピーはありません。

しかしとあるポイントで、遠くの方に不思議な形の大きな植物を発見。上の方は薄い黄色、下の方は緑の葉。全体的には大根やニンジンをさかさまにしたような形です。

「あ、あれは…!なんか有名な植物じゃない!?」「ほらエートなんだっけ」「ダイオウイカ的な名前の…」

メンバー4人もいて、名前が出てこない可哀想な植物。まさか見られるとは思っていませんでしたが十中八九「セイタカダイオウ」という植物だったのだと思います。あまりに遠くて、カメラでズームして撮ってもその詳細までは映りませんでした。

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ついに4400m越え!いろいろピークの4日目

3日目には4400mのポイントに到着し、4日目となるとトレッキングは下り道へと変わっていきます。

4日間ずっと、朝方は晴れるけど日中はどんより曇り続きだったこのトレッキングですが、なんと一瞬だけ雲の切れ間からチョモラリが見えるという嬉しいハプニングもありました。

7月の雨季という決して良くない条件で、チョモラリの頂上が一瞬でも見られたのは本当に幸運だったと思います。

そして念願のブルーポピーにも遭遇!やはり終わりごろだからか、1~3輪ずつ点々と咲いているという感じで迫力はちょっと減だったかもしれません。

安全上の理由からトレッキング中はアルコール禁止!と上から言われていたのですが、キャンプ地に到着するたびに、毎晩メンバー皆で「ビールがあったらなあ」と話していた我々。5日目のお昼にはゴール地点に到着し、最寄りの商店でビールを購入し、カンパイし、トレッキングを終えました。

ヤクを見て、セイタカダイオウと思われる植物も目にし、チョモラリを垣間見て、ブルーポピーにまで出会ったので、希望が全部かなったトレッキングとなりました。

雨季というシーズンのせいもあったのか、このダガラトレック中はほとんど他のパーティに合うこともなく、私たちだけで大自然を独占できた5日間でした。

ブータンでトレッキングを計画中でしたら、景色や希少な動植物、また地元のブータン人との出会いなどをぜひ楽しんでください。

それでは、Have a great day!

ライター名 Aqua

渡航した年 2013年〜2015年
お住いの国 ブータン
公用語 英語、ゾンカ
プロフィール 国際ボランティアに参加し、ブータンの地方高校へITインストラクターとして赴任。2年の任期満了後、帰国。現在はアメリカに留学し、舞台技術を勉強中。バレエなどのダンスが趣味。